〝1兆匹のセミ〟が大発生! 定年を迎えたらやりたい夢 米国で17年に一度の自然現象も「221年ぶり」との知らせが
【花田紀凱 天下の暴論プラス】 無事、定年を迎えたら、どうしてもやりたい夢が3つあった。 【写真】高須克弥氏と対談する花田紀凱氏 ①ウラジオストクから冬のシベリア鉄道に乗って約9300キロ、モスクワまで行く。 ②早稲田大学の学生になる。 ③アメリカ中西部で、17年ごとに大発生する17年ゼミを見に行く。 昔の基準でいえば、もうとっくに定年のハズだが、編集の仕事が好きで続けているから、どれもまだ実現していない。 ②中学時代、角川書店版昭和文学全集で尾崎士郎さんの『人生劇場』を読んですっかりのめり込み、どうしても大学は早稲田に行くと決めていたのだ。 諸般の事情で東京外語大に行ったが、夢を断ち切れない。仕事しながらでも通えるのでないかと20年ほど前、早大の社会人入試を考えた。 政経は募集人員が少ないので文学部を考えたのだが、入試科目が、論文、国語、英語というのであきらめた。 論文、国語は、ま、仕事柄なんとかなるとして、英語は、東京外語の英米科卒とはいえ、もうすっかり錆(さ)びついて自信がなかった。 ①はモスクワまで6泊7日で行けるから、正月休みを利用すれば今からでも可能だ。雪のバイカル湖をぜひ見てみたい。 問題は③だ。 このコラムでも毎夏、取り上げているから、ぼくのセミ好きをご存じの読者もいるかもしれないが、なぜか、子供の頃から昆虫のなかでも、セミが大好きなのだ。今も、会社の机の上に昨年拾ったセミを置いていて、驚かれる。 17年ゼミ、と言っても、知らない人が多いだろう。 アメリカ中西部で、17年に一度、大発生するセミだ。2~3センチほどの小さなセミで(ちなみにミンミンゼミ、アブラゼミなどは5~6センチ)、ニュースで見ただけだが、街中をセミが飛び回り、人間が逃げ回っている。 『素数ゼミの謎』(文藝春秋刊)という本を書いた吉村仁静岡大学工学部名誉教授によると、 <100メートル四方(つまり1万平方メートル)に40万匹、(中略)あなたの部屋が10平方メートルくらいだとして、部屋の中で400匹のセミが鳴いているところを想像してみて下さい> 実は吉村先生の本で知ったのだが、アメリカには13年周期で大発生する13年ゼミというのもいるらしい。