無実の父を救うため、仲間とともに奔走する寅子…朝ドラ『虎に翼』第5週振りかえり(5月4日)・朝雨は女の腕まくり?
■娘の思いに応え、ついに直言が法廷で無罪を主張する
昭和11年(1936年)1月。ついに第1回公判が始まり法廷に立つ直言だが、厳しい取り調べがフラッシュバックしたため一度退廷してしまう。しかし、記者の竹中から「また足突っ込むぞ娘さん。あんたがそんなんじゃ、また襲われるぞ」と言葉をかけられ、寅子が悪漢に襲われたことを知った直言は覚悟を決める。穂高からも勇気づけられ、直言はふたたび法廷に立つのだった。 娘の寅子の気持ちに応え、取り調べで自白を強いられたことを公判で告白する直言。しかし、検察が自分たちの矛盾を認めることはなく、無罪は絶望的かと思われた。だが、直言が長時間にわたり革手錠をされて追い込まれたことが明らかになると、検察の高圧的な操作方法に対して世間の風向きが変わり始める。 ■「共亜事件」の幕が閉じ、ようやく猪爪家に平穏な日々が戻る こうして穂高をはじめとし、弁護人たちは直言らが自白を強要されたことを主張する。そして「共亜事件」に関わったとされる16名における100回を超える公判は結審となる。裁判長から言い渡された判決は無罪。その後、検察側は控訴を断念し、直言の無罪が確定する。ようやく平穏な日々が戻り、猪爪家の共亜事件は終わるのだった。 それからしばらくして、穂高から判決文を書いたのが桂場(松山ケンイチ)だと聞いた寅子は、桂場にお礼を言うために以前彼と遭遇した甘味処「竹もと」で待ち伏せする。寅子が感謝を伝えると、桂場は「誰のためでもなく裁判官として当然のことをしたまでだ」と答える。 そんな桂場に寅子は「自分は法律とは何かをずっと考え続けてきた」と語り、法律はきれいな水が湧き出ている水源のような場所と表現すると、「自分たちはそれがきれいな水のままでいられるように守り、正しい場所に導かなければならない」と続ける。寅子の話を興味深く聞いていた桂場は「君は裁判官になりたいのか?君のその考え方は非常に…」と返す。この会話が自身の未来に影響を与えることになるとは、寅子はまだ知る由もないのだった…。 ◇ 本作は、戦前戦後に女性法律家の草分けとして足跡を残した三淵嘉子(みぶちよしこ)さんをモデルに、日本初の女性弁護士でのちに裁判官となる一人の女性が、困難な時代のなかで仲間とともに道なき道を切り開いていく物語。土曜日はその週の振りかえり。