中国・上海市、不動産取引税を引き下げへ=国営メディア
Liangping Gao Joe Cash [北京 18日 ロイター] - 中国・上海市は18日、12月1日から不動産取引にかかる一部税金を引き下げると発表した。国営メディアが伝えた。不動産市場の活性化が狙い。 住宅を「一般」と「非一般」に分けていた区分を撤廃し、144平方メートル以上の非一般住宅にも一般住宅と同等の増値税(付加価値税)を課すようにする。 また、居住者が購入から2年以上経過した不動産を売却する場合は増値税が免除される。 さらに譲渡税の課税基準を従来の90平方メートルから140平方メートル超に引き上げた。 民間不動産調査会社の易居研究院のアナリスト、Yan Yuejin氏によると、1000万元(138万ドル)のマンションを購入する場合の土地譲渡証書税は、これまでの最高30万元から最低10万元に引き下げられる。 不動産コンサルタント会社JLLの主任エコノミスト、ブルース・パン氏は上海当局の決定について、住宅部門への信頼を回復し購買意欲を刺激することを目的とした全国的な政策の延長と指摘した。 「今後数週間でさらに多くの都市が同様の優遇措置を発表すると予想している」と語った。 しかし「微博(ウェイボ)」では否定的な反応が目立った。 「(上海の不動産価格は)労働者が購入できる水準まで下がることはないだろう」「さらなる刺激策を講じても、不動産市場が短期的に回復するのは難しいだろう」といった投稿が見られた。 JLLのパン氏は、取引コストを下げるだけでは住宅市場に持続的な刺激を与えることは難しいとの見方を示した。 「不動産部門の成長エンジンを再燃させるには、政策当局者は経済成長と所得の伸びに関する住民の期待に応え、住宅価格についてより安定した見通しを提示する必要がある」と述べた。