韓国でも!日本”再上陸”で被害増加「スーパートコジラミ」…人の血を吸って「永遠に繁殖」を繰り返す
「抵抗力が強く自分で駆除するのは困難」と専門家
「日本では、’05年頃から害虫のトコジラミによる皮膚炎が確認され、’15年から’19年まではどんどん増えてこれは大変なことになる、と感じていました。 【閲覧注意】すごい、幼虫や卵の殻も…! バッグのすき間に代々住み着くトコジラミ… その頃は、インバウンドで訪日外国人が急増した時期。その後、新型コロナで人の移動が制限されたため流行は一時的に止まりましたが、コロナが5類になり再び増加しています。 今年の5月以降、患者さんが一気に増え、旅行先から持ち帰ってきたらしいという方がほとんどです」 と話すのは、虫による皮膚病に詳しい兵庫医科大学教授の夏秋優医師。 来年の夏、パリでのオリンピック開催を控えるフランスでは、トコジラミが大量発生し、社会問題になっている。住宅やホテル、映画館など街のいたるところで目撃が相次ぎ、国民議会で対策を検討するほど事態は深刻化しているようだ。 トコジラミは人の血を吸って繁殖を繰り返す害虫で、一度激減したはずだったが、’05年以降に再び確認され、日本でもここ数年で被害が拡大している。その理由には、人の往来が関係しているという。 「トコジラミは、国内では第二次世界大戦前後に増え、殺虫剤の普及や生活環境の変化で’70年頃には激減。それから’05年頃までは、絶滅危惧種といってもいいほど、国内ではほとんど見られない虫だったのです」(兵庫医科大学皮膚科学 夏秋優医師・以下同) トコジラミは、人が持ち運ぶ衣類や書類などの荷物に潜り込んで移動する。日本へ来る旅行者が持ち込んで宿泊施設で広がったり、旅行に行った日本人が旅先から持って帰ってきたりして、国内へ“再上陸”している。 「家の中に住み着き、すき間というすき間に生息します。柱の割れ目、家具や調度品のすき間、ベッドのすき間、壁に飾った絵の裏側、電化製品や書物のすき間などに昼間は潜り込んでいます。 夜になるとすき間から出て人間の血を吸い、お腹がいっぱいになったらすき間に戻る。探してもなかなか見つからず、気づいたときには家じゅうに大量発生していたケースも少なくありません」 1匹でも持ち込まれると、冷暖房が効いた快適な環境で着々と子孫を増やす。エサとなる人間の血は豊富で、天敵となる他の生物がいないため、繁殖に歯止めが効かない。 「昆虫のメスの多くは、一度でもオスと交尾をすれば、一生卵を産み続けられるだけの精子を貯蔵できます。 言い換えると、交尾が済んだ成虫のメスが1匹でも侵入しそこに人が住んでいれば、夜な夜な吸血して生き延び、一生の間に200個以上を産卵。幼虫が1~2ヵ月で成長してメスとオスのペアができれば、永遠に繁殖を繰り返していくわけです」