トイレトラック導入へ 取手市、大規模災害備え 茨城
茨城県取手市は災害時に避難所などに設置する「トイレトラック」を導入する。同県内初で全国的にも少ないという。今後、トイレ車両を所有する自治体のネットワークにも入り、被災時には相互に派遣する仕組みに参加する。2025年7月までに納入される。 今年1月の能登半島地震では断水や下水管破損の影響でトイレが使用できなくなり、水洗機能を備えた「トイレトレーラー」が送られて避難所で活躍し、注目を集めた。現地に職員を派遣した同市もトイレトレーラーの効果を目の当たりにし、導入検討に入った。 トレーラーはけん引車とけん引免許が必要だが、自走式のトラック型は普通免許でも運転できる利点を踏まえ、トイレトラックのネットワーク事務局を担う一般社団法人「助けあいジャパン」から約2654万円で購入する。 導入するトラックは個室トイレ5室を積み、うち1室は車いす電動昇降機を取り付けた。太陽光発電と外部電源も備え、寒冷地仕様で暖房も付く。1回の給排水で約1000回使用できる。平時には花火大会などの野外イベントに活用する。全国23自治体のネットワークにも参加し、災害時には車両を派遣し合う。 市の担当者は「ストレスがたまる避難生活で、できるだけ日常の環境と変わらないトイレを使用することで、少しでも安らぎを感じてほしい」と話している。
茨城新聞社