「まるでベタドラマ」と酷評されるが…そこまで言われるほどでもない広瀬アリスのフジ月9『366日』
広瀬アリス主演のフジテレビ月9ドラマ『366日』の第3話が22日に放送され、予告編に一瞬映ったカットに「今度もお決まりのあのパターン?」と今後の展開を危惧する声がSNSにあがった。 【眼福】すごい…真っ白なデコルテとチラ見えの美脚が…広瀬アリスのオーラ溢れるドレス姿 『366日』はHYが’08年にリリースした同タイトルの名曲に着想をえたオリジナルストーリー。高校時代に実らなかった恋を12年越しにかなえようと動き出した男女が予期せぬ悲劇に直面しながらも相手を想い続ける壮大なラブストーリーだという。 第1話のラストで橋から落ちそうになった子供を助けようとして重傷を負った遥斗(真栄田郷敦)は意識不明のまま、目を覚ますのかどうかも分からない状態。ヒロインの明日香(広瀬アリス)とは、ようやく12年越しにお互いの気持ちを確かめ合って交際することになった矢先の出来事だった。 第2話、第3話でも遥斗はずっと病院のベッドで眠ったままでストーリーは展開していったのだが、最後の予告編で一瞬、遥斗が目を覚ましたと思われるカットが映ったのだ。 これに対してネットでは、《まさか、また記憶喪失?》《記憶喪失、4作目? さすがにかぶりすぎ》と、今後の展開を危惧する声があがっていた。 「4月クールのドラマでは『くるり』(TBS系)、『9ボーダー』(TBS系)で記憶喪失の人物が登場しています。また、『アンメット』(フジテレビ系)は主人公が記憶障害で1日しか記憶がもたないという設定です。予告編では遥斗が記憶喪失だということを示唆するような描写は一切なかったのですが、これまでの展開が従来の恋愛ドラマにありがちなベタなものであったことから、観た人は次の展開を予想してしまったのでしょう』(エンタメ誌ライター) 第1話のオンエア後に、ネットではヒットドラマにありがちなベタなシーンだけを短く凝縮した往年のバラエティ企画『くりぃむしちゅーのベタドラマ』を連想してしまった人もいたようだ。 「主人公が学生時代の恋が忘れられない、主人公の恋の相手は運動部のエースで女子の憧れ、お互いに好き同士なのにちょっとした一言ですれ違う、同窓会で再会して恋が再び…などの〝ベタ〟なポイントが挙げられていました。さらに第1話は明日香と遥斗の高校時代の話から、12年越しに再会してついにお互いの想いを確認するまでを一気に描いていたために、より〝ダイジェスト感〟が出てしまったのかもしれません」(同前) 『366日』の世帯視聴率は第1話が7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)だったが、第1話のベタすぎる展開が悪い影響をおよぼしたのか、第2話では6.4%に急落。第3話は5.9%とさらに下がっている。前クールに永野芽郁が主演した『君が心をくれたから』も第1回の7.2%から第2話で5.8%に急落し、その後はほぼ5%台にとどまっていた。『366日』も同じ道をたどりそうな気配だ。若者に向けてコア視聴率狙いかと思いきや、そちらの数字もどうやら芳しくはないらしい。 しかし、その一方でTverのお気に入り登録者数は好調で、4月期の連ドラの中では2位につけている。ちなみに『君が心を~』も1月期ドラマの中では2位。もしかすると、フジテレビは最初から〝Tver狙い〟で番組作りをしているのだろうか。同志社女子大学メディア創造学科教授の影山貴彦氏に聞いた。 「リアルタイムの視聴率も取りたいのがテレビ局ですから、フジテレビもそうだと思います。ただ、Tverのほうの数字もいいから、そちらも取りにいっている部分はあるのかなと。毎週の放送を楽しみに見てほしいというのが作り手の願いです。ただ、今の若い視聴者を中心に視聴形態は、大きく変わりつつある時を迎えています。それをいかにリアルタイムで見させられるかが、テレビというメディアが今後も力を持ち続けられるかのポイントになるのでしょうね。 テレビ朝日の場合などは、リアルタイムの視聴率を支えている中高年層に強いから、世帯視聴率はいいです。フジテレビの場合は昔から若い人たちから評価されるというところに軸があって、僕の知る限りそれは変わっていないように思います。だから月9でも恋愛ドラマにこだわるのかもしれません」 また、話が〝ベタ〟な点は決して悪いことではないという。 「学生に聞くと『366日』は面白い!と言うんです。われわれ中高年は似たようなドラマを何十回と見てきているから〝ベタ〟に思えてしまうものでも、若い人たちから見れば必ずしもそうとは限らないんですね。そういうふうに純然に〝ベタ〟な話が好きな場合と、少し斜めからツッコミながらも、ついつい見てしまうという2つのパターンで見られるケースもあると思います。 僕も正直『366日』を見ていて、このまま郷敦くんが最後まで眠ったままなのかと思ったら、しんどかったです。でも、第4話の予告を見て、こう来たか!と思いました。脚本を担当しているのは『最愛』(TBS系)や『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)を手がけた清水友佳子さんで、力のある人ですから、これから中盤、終盤と回を重ねていくにしたがって、評価される作品になっていくと期待しています」 もし、第4話で目覚めた遥斗が記憶を失っていたとしても、そうでなかったとしても、今後の展開に注目だ。
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