<旋風・十勝からセンバツへ白樺学園>第2部 冬に磨くチーム力/下 持ち味の打力に工夫 個々の課題克服、効果実感 /北海道
強力打線が伝統の白樺学園だが、2019年夏の新チーム結成後は、あえて守備7割、打撃3割の配分で練習に取り組んだ。しかし、室内練習場で守備練習のスペースが限られる冬場は、打撃練習と筋力トレーニングが中心。本来の持ち味である打力にさらに磨きをかけようと、各自が工夫を凝らしている。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 打撃練習は、室内練習場を3分割。一つ目はスローボール、二つ目は140キロ後半の速球、三つ目は打撃フォームを確認するように設定し、選手はそれぞれ7球ずつ移動していく。打席での対応力の向上を目指すほか、冬期間は木製バットで練習し、芯でボールを捉らえる感覚を体に覚えさせている。 「ちょっと速い」「ヘッド下がってるよ」。木製バットの乾いた打球音を響かせる宍倉隆太選手(1年)の打撃フォームを確認し、19年秋は3番を打ち、主軸を任された宮浦柚基(ゆずき)選手(2年)がネット裏から声をかけた。 宍倉選手は昨秋の十勝地区大会から明治神宮大会まで9試合に出場した1年生唯一のレギュラー。「春からベンチ入りを狙っていたけど、高校は甘くはなかった」と周囲に助言を求め、打撃力の向上を図った。打順は7、8番といった下位だが、上位打線につなぐ安定感があり、この冬も「チャンスメークできる強みを生かしたい」と、持ち前の広角に打ち分ける技術に磨きをかけている。 また、秋は2番を任された細谷脩有(しゅう)選手(2年)は「監督には一発のある打撃が評価されていると思う」と、この冬は長打力を高めるため、体作りとフォーム改良に力を入れる。全道大会から体重7キロ増を目標に、多い日は食事を5~6食に増やし、既に5キロ増の73キロまで増加。打撃フォームは目線がぶれないよう、体重を後ろにかけることで重心を低くした。木製バットの打球音で調子の善しあしを見極め「筋肉がついて、新しいフォームで打つ感覚がつかめてきた。打球も強くなってきた」と効果を実感している。 選手たちが個々の課題を克服し、一冬の成果を試す機会は目前に迫っている。【高橋由衣】