「おたがいさまチケット」でお腹をすかせた子どもにおいしいパンを 見知らぬ誰かのために代金を先払い 送った恩は別の誰かへ… 愛知・春日井市
愛知県春日井市にあるパン屋「モンシェル勝川本店」で、経済的な理由から満足に食事がとれない子どもたちを支援する取り組みが行われています。 この店で取り入れたのは、見知らぬ誰かのために代金を先払いする「おたがいさまチケット」という仕組み。支援者が購入した「おたがいさまチケット」を店内に掲示し、利用したい子どもはチケットを使って250円までのパンを購入できるというものです。 チケットを利用できるのは、中学生以下の子ども、もしくは子ども連れの人。子どもを2人連れている場合は、チケット2枚分(500円分)のパンが購入でき、会計が500円を超えた場合は、500円分の割引が受けられるということです。
立役者となったのは、株式会社モンシェルの高橋真由子さんです。学校給食が頼りの貧困家庭の子どもは、夏休みが明けると栄養失調に近い状態で学校に来るという話を聞き、衝撃を受けた高橋さん。誰もが気軽に食べられるモンシェルのパンで何か支援できないかと模索するなかで、福島のNPO法人チームふくしまが推進する「お互いさまチケット」の仕組みを知り、2024年8月から「モンシェル勝川本店」で導入しました。 福島県で始まった「お互いさまチケット」には、“恩を受け取ったら別の誰かへ恩を送ってほしい”という想いが込められていて、高橋さんも「地域のつながりや支援が広がり橋渡しができることを目指している」と話します。 今後は「モンシェル春日井店」での実施や、愛知県内で「おたがいさまチケット」の仕組みを導入する店舗を増やしていくことも検討しているということです。
導入開始から約2か月が経過した10月10日時点で、387枚の購入と343枚の利用がありましたが、最近は利用者が急激に増えたことでチケットが不足していて、店頭に掲示できない日もあるといいます。 モンシェルのスタッフもチケットを購入して子どもたちへの支援を続けていますが限界があることから、高橋さんは「支援が増えることで、この活動をさらに広げ、より多くの子どもたちに美味しいパンを届けられるようになります。未来を担う子どもたちにパンをと感じている方、子育て世帯を応援したいと感じている方は、ぜひこの恩送りの輪にご参加ください」と協力を呼びかけています。