『BADHOP 1000万1週間生活』#2ーー港区女子のハニトラに遭い、空を飛び、高級寿司を食う
神奈川・川崎を拠点とする、8人組ヒップホップクルー・BAD HOP。来る2月19日、東京ドームにて解散ライブを控える彼らに、最後にやり残したことを清算する機会が与えられた。用意されたのは、共同生活のための一等地のシェアハウス。それに、1週間の時間と、1000万円もの大金。これが、ABEMAにて現在放送中の『BAD HOP 1000万1週間生活』に関する全貌である。 【写真】港区女子のハニトラに遭い、空を飛び、高級寿司を食べたBADHOPのメンバーたち 今回は1月13日公開の【#2】から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるため、ご注意いただきたい。 ・Benjazzy、港区女子とのLINEで気分上々? YZERRの“ハニートラップ”を朝から満喫 前回の【#1】オンエアから間もなく、X(旧:Twitter)を中心に、今年最初のミームを巻き起こしている『BAD HOP 1000万1週間生活』。ミームの中心は、共同生活初日から大活躍だった、Benjazzyこと石川幸和。シェアハウス到着後すぐ、備え付けのカラオケでマイクチェック代わりに、十八番であるClass「夏の日の1993」を熱唱すると、その日の夜にセッティングされた“港区女子”との人生初合コンでは、強烈な顔芸を持つ相手と“愛してるよゲーム”で世紀の一戦を繰り広げる。さらには、Tiji Jojoに声を掛けるも華麗なスルーを喰らったうえ、美女に挟まれ思考停止して、普段は見せない“陰キャ”な一面を晒してしまったり……。 そんな彼にも、少し早めな春の予感が。途中、席替えで隣にやってきた黒髪清楚の美女・まゆこと“いい感じ”に。この美女、長年の付き合いであるYZERRらも太鼓判を押すほど、Benjazzyの“どタイプ”である。これまで、アルバム『Mobb Life』収録の「#リバトーク Skit」でも、苦手な女性の特徴として「髪を横にかきあげる」「(友人らと二本指を組み合わせて)ピースで星とかになっちゃう系」「いるだけでボースティングしているような女」を挙げるなど、散々すぎる偏見を披露してきたBenjazzy。こうした女性がSNSに投稿した写真をわざわざ調べ漁り、リリックを制作する際の燃料にすらしていると語っているくらい、性格が曲がっている。そう思うと、まゆこは本当にタイプ以外の何者でもないのだろう。 今回の合コンで唯一、別室での2ショットへの持ち込みに成功すると、まゆこからの誘いで連絡先もしれっと交換……。とはいえ、この直前にもシュールな事件が。クルー随一の“ファッションオタク”は、この日もPRADAのバケットハット、Maison MIHARA YASUHIROのビンテージライクシャツにスニーカー(ともに、最新シーズンである2023AWのもの)、THE ATTICOのカーゴパンツとハイプなスタイル。そしてシャツのボタンを外すと、インナーには大阪発のヒップホップクルー・韻踏合組合のTシャツが。「韻踏合組合 知らない?」と、自慢げに勝負服を見せつけたが、普通の女子であれば“あ?”という感想以外に浮かばないし、まず連絡先も交換しないだろう。 上手い話には裏がある。しかもこれは、“あの悪の天才”がいる、BAD HOPの番組で繋がった縁。裏がないはずがないし、YZERRの企みがあるのが当たり前だ。そう実は、まゆこはYZERRが用意した仕掛け人。簡単に言えば、“ハニートラップ”である。リリースを控えるラストアルバムの制作と同じくらい、クルーでやり残したこととして、メンバーへのドッキリを仕掛けることを大切に考えてきたと、YZERRは事前予告でも語っていた。 ちなみにYZERR曰く、Benjazzyが女性に送るLINEは気持ち悪いらしい。ラップスキルはもちろん、リリックの作り込みも玄人レベルだからこそ、妙に納得感を抱いてしまう。2日目も起きがけから「ベンジャジーさんすごく話しやすくて勝手に惹かれちゃいました」という、まゆこ(ではなくYZERR)のメッセージから、「おしとやか!」と人柄を褒め返す返信をするなど、イカつめのラッパー同士が恋文を送り合う光景がシュールに映し出された。Benjazzy、悲しすぎるぜ。 ・Bark、ゴーカート対決で本気のコーナリング 止まらないG-k.i.dのスポーツマン化も 朝マックを食べ終えた一向。2日目最初に向かったのは、ゴーカート場。この日のメインイベントであるスカイダイビングを前に、T-PablowとYZERRこと“岩瀬兄弟”の提案で、ゴーカートのタイムアタックの結果を持って、誰がスカイダイブするのかを決めることに。8名のうち1位になったメンバーは、好きなメンバーを指名できるほか、ビリはその時点で“ヘリ行き”確定だという(と提案しながら、YZERRのスウェットに、朝の歯磨き粉の塊がへばりついて固まっているのがまたかわいい)。 そもそも今回の共同生活では、YZERRらより、人のお金を使って、仲間の嫌な顔が見たいと事前に宣言が。そのターゲットの一人が、スカイダイビングの可能性を前に、誰よりも眉間に皺を寄せているBarkだった。ゴーカートの最初の挑戦者となり、「体が入っちゃってるもん」と指摘されるほど、運転中はガチなコーナリングを披露したBark。そのほか、T-Pablowが水たまりに突貫してびしょ濡れに。Yellow Patoはコーナリングに失敗し、クラッシュ。最下位でスカイダイビング決定となった。 そして肝心の1位は、昨年はゴルフでもホールインワンを達成するなど、ここ最近のスポーツマン化が止まらないG-k.i.d(着用しているアパレルブランド・KAPITALのセットアップが、レーサーに見えているというツッコミも飛び交った)。ちなみに、Barkは6位だった。健闘虚しく。 ・Yellow Pato、上空3000mからスカイダイブ「レベル違う。別次元だぞ」 いざ、上空3000mの旅が待ち受ける会場に。一番手は、Yellow Pato。現場中継役として、Vingoもヘリに同乗したのだが、地上にいるBarkから「跳ばないくせにイキがるな」と遠隔で野次を飛ばされるなど、謎のマウントの取り合いが発生。ここまでの登場人物3名とも、恐怖で微妙に声が震えているあたり、彼らの隠したつもりの本音が伝わってくる。 あっという間に、ヘリがダイブスポットに。Yellow Patoは、上空900mほどで一度、ネガティブに陥り掛けるも、自らを奮い立たせて慄きながら大空にダイブ。途中には、まるで鳥のような姿で「気持ちいい~!」と叫ぶシーンも見られたが、地上に降り立つやいなや「とにかくずっと怖い」「レベル違う。別次元だぞ」と、想像以上の怖さを言葉にした。 次はようやく、Barkの出番。重い足取りでヘリの方に進んでいったが……間もなく、引き返してきてしまった。怖気付いたのかと思われたが、どうやら日没が近く、これ以上はヘリの上昇が難しいらしい。インストラクターからもNGを受けて、「喜んではない」とBarkも強調していたが、どうしても声の端々に安堵が滲み出ている。さすがは辛い境遇を生き抜いてきたBAD HOPのメンバー。悪運の強さは、さすがの一言に尽きる。 実は、この日は強風で、スカイダイブにはコンディションも悪く、ヘリの到着が当初想定よりも2時間遅れとなっていたのは、事前に予告されていた通り。その間、岩瀬兄弟が土を丸めて、ガムテープで固めたボールでキャッチボールをしたり、「足おせえなお前!」とツッコミを入れたり。あるいはカエルを捕まえたりと、昔と変わらない、幼馴染同士の微笑ましいシーンを数多く見せてくれた。 また、Barkはゴーカート対決前からすでに、スカイダイビングに関するブログを読み漁っていたとのこと。「飛ぶだろうなって」と、早々に覚悟を決めていたのだという。それに対して、YZERRから「なんでわかったの?」と素直に尋ねられると、「(付き合い)長いじゃん」と、簡潔に一言。こちらもまた、メンバー間の仲のよさを示していたように思う。現に、YZERRはゴーカート対決時に「どちらにしろスカイダイビングするからいいか。1位になった奴、絶対指名しろよ、アイツ」と、ほかメンバーに指示を出していた。Bark、見事に正解。 ひとつ付け加えるならば、Yellow Patoがダイブ真っ最中なところ、彼の勇姿をそっちのけに、まゆこ(何度も言うが中身はYZERRである)とのLINEに夢中で、スマホを眺めていた男も。本当に、仲がよいのか淡白なのかわからないクルーである。Benjazzyよ、そこに愛はあるのか? ……と書いたところだが、この後の夕食の様子を観て気が変わった。この日は、メンバー行きつけの「鮨 なんば」にて、大将へのリスペクトと緊張感ある食事を堪能。Benjazzyはこの日のお品書きを見ながら「オレの人生、ここまでいっちゃってる。前借りしすぎて、トロまで行っちゃってる」と、相変わらず静かなギャグ線の高さを発揮していた(これがなぜ、合コンで発揮されなかったのかが謎である)。石川幸和、やはり憎めない。 ・岩瀬兄弟が考える1000万円の正しい使い方「雰囲気だけ確かめるから」 シェアハウスに戻ると、残金の使い道についてリビングで作戦会議が始まる。BAD HOPの計画では、最終日に地元である川崎・ちどり公園にてフリーライブを開催し、そのためには1000万円をさらに膨らませる必要があるとのこと。この場面で、強気な姿勢を見せたのは、やはり彼らの心臓であるT-Pablow。「言い方アレだけど、1000万円を1000万円で終わらせるような奴らではないでしょ。1000万円がさ、3000万円になったら? なんならもっと……」と、大きな未来予想図を大胆に広げてくれる。 ということで3日目、T-PablowとTiji Jojoが韓国に発ち、カジノに挑戦。だが、いまいち自信なさげなTiji Jojoに対して、YZERRが「賭ける気もないやつがさ、行くなよ。お前みたいなさ、ビジネスクラスで韓国まで行ってさ、側からパブロ(T-Pablow)のことを見てさ。パブロがやっちゃった。オレには関係ねえって」と、その気弱さにハッパを掛けまくる。というかほとんど攻め立てていた。これがおそらく、彼らのいつもながらの会話なのだろう。その関係性を知らなければ軽く引いてしまうほど、仲間だからこそ遠慮のない言葉がぶつけられる(し、実際にクルーで唯一、東京出身のVingoは当初、その光景を見てリアルに驚いていたらしい)。 作戦会議の結果、T-Pablowに200万円、Tiji Jojoに100万円と、合計300万円のカジノ資本金が手渡される。与えられた条件は、ともに手渡された倍額を持ち帰り、最終日に控えるフリーライブの資金に充てること。「選択肢を広げて、有意義な一週間を過ごそう」と、まるでライブのMCかのように高らかな宣言をするT-Pablowだったが、それ以上に最高だったのがこの後のYZERR。「いくらあんだ? 一回、雰囲気だけ確かめるから」と言い出して間もなく、リビングに万券をばら撒き散らす。 あまりの光景に、全員が笑い転げ、なかには“ケツ”を振り出すメンバーも。本当に、修学旅行の男子部屋がそのまま大人バージョンで繰り広げられているようだし、なにより彼らが見せる最高の1000万円の使い方が、そこにはあった(このタイミングで、解散ライブの告知テロップを入れるのも面白すぎてズルい)。 ここまでの総括を。2日目は、ゴーカートで32万8830円、スカイダイビングで78万円、鮨 なんばで154万9000円と、この日だけで約265万円を使用。前述の作戦会議通り、T-PablowとTiji Jojoがカジノで大金を稼がねば、1000万円が一瞬にして溶け切り、最終日のフリーライブ開催も危うくなること間違いなし。微妙な暗雲が立ち込めてきたが、T-Pablowならば、絶対にカジノで大勝ちしてくれるという安心感があるのも事実。次回、BAD HOPの命運はいかに。
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