パチンコ店の“大量閉店ラッシュ”を加速させる「新紙幣発行」問題。1億円以上負担するホールも
閉店ラッシュが加速する可能性大!
お客さんが使用する台間サンド以外に、ファンには見えない部分の交換などもあり、やはり必要となる費用は想像以上。それだけに、今回の改刷で閉店を余儀なくされるホールも出てくるだろうとA氏は予想する。 「ここ数年でホールが閉店しまくってますが、今回の改刷でさらに1000店舗くらい減っちゃうんじゃないですかね。実際、買い替えないといけないハズの古い機械を使っているのに、工事の予約を入れていないホールの話なんかも聞きますし。おそらく、そういうホールは、閉店させるか、良い中古が出るまで待っているかのいずれかでしょう。もしくは、旧札を貯め込んでホール内を走り回るつもりか(笑)」
改刷はホールにとって良いことナシ
偽札防止の一環で行われる改刷。不特定多数のお客さんが来店し、大量のお札が集まるパチンコ店にとって必要不可欠なことかと思いきや、これといったメリットは感じられないとA氏は言う。 「当たり前の話ですが、新札が出たからといって稼働が上がるわけでもないし、はっきり言って迷惑なだけです(笑)。新しく購入する台間サンドとかも、お金だけかかって機能自体は何も変わらないじゃないですか。例えば、これを機に『電子マネー対応に変えます』とかならいいのですが……」 世の中的には電子マネー化が進んでいるだけに、将来的にはホールにも導入される日が来るのだろうか。 「いずれは電子マネー化もあるんじゃないですか。でも、シマ中から『ペイペイ! ペイペイ!』って、聞こえてきたらちょっと嫌ですよね(笑)。まぁ、それは冗談として、既存のモノだと、ポイント還元があったり、後払いができちゃうので、導入するとしたら業界団体でホール専用のモノを新たに作ることになると思います」
7月以降の客の出玉率に影響は出る?
膨大な費用が掛かるとなると、パチンコファンにとって最も気になるのが「改刷後の出玉率」。7月以降、その費用を回収するため、どこのホールも出玉が渋くなる、なんてことにはなってほしくないが……。 「ウチの場合の話ですが、これはもう設備投資の一環なので、費用は改装用の積立金から出ます。なので、7月以降の出玉率が急激に悪くなるなんてことはありません。さすがに前もって分かっていたことだし、よっぽどカツカツのホールじゃない限りは普段通りだと考えていいと思いますよ」
一難去ってまた一難……苦境はまだ続く
スマスロの登場で人気回復の兆しが見え始め、パチンコ、パチスロ離れに歯止めが掛かるかと思いきや……。今回の改刷でさらに閉店ラッシュが加速しそうなパチンコ業界。 しかも先日、景品の提供に関する新たなガイドラインの発表もあり、これによって再びホールの負担が増える可能性もある。まさに、泣きっ面に蜂。パチンコ業界の苦境は、まだしばらく続きそうだ。 取材・文/サ行桜井 【サ行桜井】 パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
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