「開き直りと投げやりをはき違えるな」 ソフトバンク小久保監督が異例の試合前訓示で伝えたかったこと
◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク2―0広島(1日、みずほペイペイドーム) ソフトバンクの小久保裕紀監督が試合前に選手らを集めて口を開いた。「柳田の穴を埋めようとは考えなくていい。個々が自分のプロフェッショナルなので、替えの効かない選手になりなさい」。5月31日の広島戦で、これまで攻守に渡ってチームをけん引してきた柳田悠岐が右脚を負傷。それを踏まえ、シーズン中には珍しく小久保監督が選手たちに直接伝えた。これとは別にもう一つ伝えたことがある。 ■俊足魅せた!支配下登録即スタメン、佐藤直スライディングキャッチ【動画】 「開き直りと投げやりをはき違えるな」 開き直りは、試合前にしっかりと準備をした中で結果が出なかった時に「やりきった」と思って次に向かうこと。準備不足な上に結果が出なかった時に切り替えようとすることは投げやりだという話をした。 チームは5月24日からのロッテ戦で今季初のカード3連敗を喫し、続く巨人3連戦でも1勝2敗となり、今季初の2カード連続負け越しとなっていた。両リーグ最多の200得点を記録する打線は、その6試合で計9得点と勢いを欠いていた。 そんな苦境で起きた大黒柱の離脱を受け、小久保監督がチームに再認識させたかったのが〝準備をすることの大切さ〟だった。試合前まで貯金16で首位を走るチームだったが、最大6ゲームあった2位との差も徐々に縮まっていた。打線の中心だった柳田を欠くことになれば、今後は苦しい展開が避けられない。一時の独走ムードも薄れてきた状況で、チームを引き締める狙いもあったのかもしれない。小久保監督の言葉に、海野隆司は「はっとさせられた」と帯を締め直した。 小久保監督は「彼(柳田)がいたときの勝率、その後の勝率。その辺はしっかりと変わらないような試合運びをしたいと思います」言い切った。優勝という目標に向かってチームが進み続けるように、しっかりと舵を取っている。(大橋昂平)
西日本新聞社