今年の新米は「強気の値段」なぜ高止まり?お茶碗一杯はいくら? 農家の本音「やっと当たり前の値段に」
熊本放送
新米のおいしい季節になりましたよね。新米の流通で少しずつ米不足は解消傾向にありますが、価格は高止まりしています。その背景を取材しました。 【写真を見る】今年の新米は「強気の値段」なぜ高止まり?お茶碗一杯はいくら? 農家の本音「やっと当たり前の値段に」 ■新米の高値 なぜ続く? “棚からコメが消えた!” あの騒動から約2か月。当時取材した熊本市内の米店を再び訪ねると、新米の入荷で徐々に流通も回復しつつあるようです。 亀山麻衣アナウンサー「以前は、店頭から消えてしまっていた米ですが、今では新米がズラリと並んでいます。ですが、値段は依然高いままです」 この米店では熊本県産のヒノヒカリ5キロを2950円で販売。去年の同じ時期と比べて850円高くなっています。 新米の流通が始まったにも関わらず、高値が続いているのは何故なのでしょうか。 ふじき本店 藤木明常務「今度の春あたりから(米が)足りなくなるのではないかと業者さんたちが思っているので、値段が強気(=価格を下げない状況)になっています」 加えてコロナ禍が収束した後、米の需要が急増しましたが、生産が追い付いていない現状がいまも続いているということです。 ■お茶碗一杯「30円」新米は本当に“高い”のか? 消費者にはまだまだ重く感じるコメの価格。スーパーのコメ売り場でも、買い物客が価格とにらめっこ。さまざまな工夫で乗り切っているようです。 買い物客「麺類を食べるようにしています。パスタとか」「私だけ(ご飯を)少なめに食べるようにしています」 一方、コメの生産の現場ではこの高値をどう捉えているのでしょうか。 米農家 立石翼さん(40)「(価格が上がっているのは)我々農家としては嬉しいことであって、やっと当たり前の米の値段に戻ったという認識を持っています」 JAによりますと、肥料代の高騰などで、1俵(60キロ)あたりにかかる経費もこれまでより4000円から5000円程度上がっています。 一方で、現在の価格でも、お茶碗一杯に換算すると約30円ほど。阿蘇市の米農家・立石翼(たていし つばさ)さんは「消費者には、経費の高騰や後継者不足など、農家の現状も踏まえて冷静に判断してほしい」と話しています。
立石さん「生産者もひっぱくしていますので、その辺を踏まえて食卓を囲んでいただいて、毎日の“いただきます”につなげてもらいたいと思います」
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