どっさり収穫を目指す!春ジャガ栽培Q&A
『やさいの時間』2・3月号の巻頭特集「ジャガイモで始める春菜園」では、ジャガイモの栽培方法や品種ごとの魅力を紹介しています。誌面で紹介しきれなかった内容を取り上げる「こぼれ話」では、番組講師でもある藤田智さんに、ジャガイモ栽培の疑問に答えてもらいます。 みんなのジャガイモ栽培の写真
Q.園芸店でタネイモを売っていたので、まだ1月だけど購入しちゃいました。植えつけ適期にはちょっと早いですが、植えても大丈夫?
A.土が凍るほど気温が低いならダメです。土が凍ったり、霜柱が立ったりしなくなるまで待ちましょう。土の中でタネイモが傷んで、発芽しなくなるからです。 霜が降りても土は凍らず、霜柱も立たないなら、植えても大丈夫です。ただし、発芽までには時間がかかりますし、発芽後に霜に当たると芽が傷み、黒くなって枯れてしまいます。霜よけとして、防虫ネットか不織布を畝全体にかけておくと安心ですよ。
Q.トマトやナスを育てるときにはポリマルチを張るのに、ジャガイモには張らなくてもよい?
A.張らなくて大丈夫ですが、張って育ててもかまいません。マルチを張るのは面倒だし、お金がかかるので、張らずにすませられるなら張りたくないだけです(笑)。でも、マルチには3つのメリットがあります。 <マルチのメリット> 1.土寄せの手間がかからない ジャガイモのマルチ栽培では、あらかじめ高さ20cmの高畝を立て、タネイモを植えてからマルチを張ります。あらかじめ、新しくできたイモが太るスペースが十分に確保されているので、土寄せはしなくてOKです。黒マルチには遮光の効果もあるので、土寄せなしでもイモの緑化が防げます。 2.収穫期を早められる マルチには保温や保湿の効果があり、春先には特に地温が上がってイモの育ちが早くなります。その結果、マルチなしで栽培するより1週間~10日、早く収穫できますよ。収穫を急ぎたい場合に有効です。 3.水はけが悪い畑、よすぎる畑でもよく育つ 高畝にするので水はけがよくなり、もともと地下水位が高くて水はけが悪い畑でもタネイモが腐りにくく、よく育つようになります。 逆に水はけがよすぎて乾燥しやすい畑では、マルチによって畝面からの水分の蒸発を防げるので、土中の水分が保持されてよく育ちます。 これらのメリットが大きいと感じる場合には、マルチを活用するとよいですね。