3人以上と同時に恋愛...あなたは許せる?「オープンリレーションシップ」について、人気作家ミン・ジヒョンが語る
韓国人作家でドラマ脚本家、そしてフェミニストでもあるミン・ジヒョンさん。フェミニストの恋愛をテーマに書いた最新刊『私の最高の彼氏とその彼女』(イースト・プレス)の執筆にあたって向き合ったのが、オープン・リレーションシップという恋愛スタイルだ。恋愛とはこうあるべきという刷り込みから自由になり、互いに信頼できる関係とは。 【写真】レディー・ガガも!「セックス・ポジティブ」を公言するセレブ15人
フェミニストは恋愛が難しい?
「フェミニズムを知ったことは自分の人生を大きく変えてくれ、大切なことをたくさん教えてくれた。でも正直、恋愛が難しくなった、と感じる場面が増えた。だからといって、フェミニストをやめたいとは思わないけれど」 フェミニスト活動をしている20代のアクティビストと雑談をしていたとき、そんなことを話してくれたという。パートナーの揚げ足を取るつもりではないのに、相手の発言やアクションが必要以上に気になってしまうことが増えてしまうというのだ。 「前作の『僕の狂ったフェミ彼女』は、フェミニストの彼女とミソジニーの男性との恋愛を男性の視点から描いた作品だったのですが、共感したという声とあわせて、想像を超えて多かったのが『フェミニストの恋愛は難しい』『私たちはどう恋愛をしていけばいいですか』という声でした。自分たちが幸せになるために、フェミニストになっているのに、それによって恋愛が難しくなるという展開はどうしたら解消出来るのか……。私自身もずっとこの問題について考えていました」 というのは、日本でも話題を集めた韓国の小説『僕の狂ったフェミ彼女』(イースト・プレス)の作者であるミン・ジヒョンさんだ。ミンさんは、前作の『僕の狂ったフェミ彼女』で自身も感じた問いかけの答えを探りながら、邦訳最新刊『私の最高の彼氏とその彼女』を書き上げたという。今回選んだ題材は、“オープン・リレーションシップ(以下OR)”=「非独占恋愛」だった。
相手との同意がある「非独占的恋愛」とは
「オープン・リレーションシップは、1対1のパートナーシップに捕らわれず、パートナー以外にデートやセックスなどを持つ相手がいる関係のことです。基本は3人以上の関係性で、勝手に他者と関係を結ぶのではなく、全員の同意があるということです。複数の人と交際をする『ポリアモリー』という言葉もあります。ORとポリアモリーは完全に同じ意味ではありませんが、複数の人と恋愛を共有する関係、『非独占恋愛』を描きたいと思いました」 物語の主人公は30代半ばの女性、ミレ。自分らしく生きたいと願い、結婚にも捕らわれたくないが素敵な恋愛をしたい、そんなシンプルな願いなのに、これというパートナーはみな自由を束縛し、関係が熟すと結婚を匂わせる。妥協はしたくないと思っているとき、使っているシェアオフィスで思わず目が離せなくなる男性、シウォンと出会う。 見た目だけでなく、振る舞いも含めて、完璧な男性のシウォンから、「あの、ミレさん、僕どうですか?」の告白。「手を握ってみてもいいですか?」と言われ手を伸ばしかけた瞬間、シウォンから「僕、オープン・リレーションシップの関係にある恋人が一人います」という衝撃の告白が……! ミレは最初、あり得ないと思いながらも、次第にシウォンとソリとの非独占恋愛に関心を持っていくことに。