公式戦半年ぶりの敗戦が糧に。堀越の注目CB森奏は引き締め直し、まず「0点で抑える」ことから
選手権前に痛感させられた「もっと上がいるな」ということ。堀越高(東京A)の守りの要で、U-17日本高校選抜歴を持つCB森奏(3年=横河武蔵野FC U-15出身)は、引き締め直して選手権を迎える。 【写真】「絶対に誰だか分からない」「オーラを失った」…ヒゲを剃ったガットゥーゾ氏 選手権予選開幕前の東京都1部リーグでは空中戦、地上戦でも抜群の守備。加えて最終ラインから好フィードを連発し、右SBの外側から攻め上がってクロスを上げていた。選手権予選決勝でもチームが延長戦で勝ち越された後に前線へ上がり、起死回生の同点ヘッド。6月末以降、堀越が公式戦負け無しで選手権予選、都1部リーグの2冠を成し遂げる中、注目DFは攻守で違いを生み出し、堀越に白星をもたらしてきた。 だが、12月16日のプリンスリーグ関東2部プレーオフ2回戦で日体大柏高(千葉)に1-4で敗戦。自身のミス絡みでの失点も経験し、前半だけで3ゴールを奪われての完敗だった。 その森は、「今年の自分は正直、何か止めるとか、何かパスで違い出すとか、攻撃で違い出すっていうことが多かったんですけど、初めてではないんですけど、(日体大柏戦は)何かやられるシーンが多かったなって思います。自分的に『もっと上がいるな』っていうのを痛感したんで、それが全国前に痛感できたっていうのはポジティブに捉えていかないといけない」とコメント。自身が前線へ上がった後半に1点を取り返したものの、選手権開幕までの練習試合で「もっと」揉まれて、「もっと」成長しなければならないことを実感していた。 昨年度の選手権は初戦から3試合連続で無失点勝利を果たすなど勝ち上がったが、準決勝では近江高(滋賀)に1-3で敗戦。前半だけで3失点を喫しての敗戦だった。そこから、“選手権準決勝でも守れるチーム”になることを目指して堅守を構築。それが東京2冠にも繋がったが、失点が増えてきているだけに、必ず改善して選手権に臨む。 森は自身2度目の選手権へ向けて、「去年は守備でも点取ることでも結構貢献できたと思うんで、(より上に行くためには)それ以上の結果を残すしかないんで。守備ではやっぱ最近できてない0点で抑えるっていうのをまず大前提として、攻撃ではセットプレーだったりで、ちゃんと取れるように準備していきたいなって思います」と力を込めた。 今大会トップクラスのプレーヤーであることは確か。敗戦から自身とチームを見つめ直したDFが、選手権初戦(対津工高、12月31日)から昨年以上の活躍を見せて堀越初の決勝進出、日本一に貢献する。