兵庫県知事選 ラストサンデー 各陣営、大票田で声枯らす
兵庫県の斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う知事選は「ラストサンデー」の10日、各陣営が県都・神戸市など大票田の都市部に足を運び、街頭演説や選挙カーからの訴えなどで票の上積み、掘り起こしに奔走した。投開票日は17日。 【写真】斎藤氏「ずっと一人ぼっち」雨中の演説で本音ポツリ 前参院議員で無所属新人の清水貴之氏(50)はこの日正午、西宮市の阪急西宮北口前で街頭演説。駅利用者や阪急西宮ガーデンズの買い物客らに「やりたい政策はたくさんあるが、まずは混乱した県政の立て直し。新しい兵庫をスタートさせる」と強調。日本維新の会の県組織が支援しており、演説には地元選出の同党衆院議員も加わった。 「幅広い支持を求めて無所属での出馬を決めたが、苦しい情勢に立たされている」と陣営幹部。阪神間に選挙カーを走らせて演説を重ね、関係先回りにも時間を割いた。 元尼崎市長で無所属新人の稲村和美氏(52)の陣営は、この日の重点を神戸市に置いた。同市垂水区のJR垂水駅前でマイクを握った稲村氏は「県民の暮らしを支える行政が前に進めるようにマネジメントしていくのが知事の仕事」と強調し、「混乱に終止符を打ち、地に足のついた行政にしていく」と主張。自民党や立憲民主党の県議、国民民主党の国会議員らも駆けつけ、支持を訴えた。 同市須磨、垂水、長田区などを選挙カーで回った稲村氏。午後には長田区で有権者らと対話する集会を開いた。 「日曜日はとくに郊外からも多くの人たちが中心部を訪れる」と無所属前職、斎藤氏の陣営。告示後なかなか回れていない地域の有権者にもアピールできるチャンスだとして、姫路から高砂、明石、神戸、尼崎などにかけての県南部各都市の主要な集客スポットを一気に巡った。 このうち神戸市中央区のJR神戸駅前の広場で、斎藤氏は「期日前投票に行って、周りの方にぜひ支援の輪を広げていただきたい。斎藤元彦とみんなで、県政を変えていきましょう」と集まった大勢の支持者らに呼びかけた。 医師で無所属新人の大沢芳清氏(61)=共産党推薦=の陣営は、この日を「医療デー」と位置づけ、医療従事者に結束を呼びかけて支持を訴えた。自身が院長を務める病院がある地元・尼崎市の阪神尼崎駅前で、共産の参院議員や県議補選尼崎市選挙区候補らを交えて街宣活動に臨んだ大沢氏。「医療・介護の充実に取り組む」と主張した。