漫画家・東村アキコさん、2度の離婚を経て考えた「結婚の意味」|VERY
『東京タラレバ娘』『海月姫』『ママはテンパリスト』など数々のヒット作を手がけた漫画家の東村アキコさん。今年、幼少期の思い出や家族についてつづった、爆笑必至の初のエッセイを出版しました。ご自身は、30代のころに2度の離婚を経験。シングルマザーとして一人息子を育てました。東村さんにとって家族とは、そして結婚とは? 今、考えていることを伺いました。
結婚は「一人ではできないことをするチーム」みたいなもの
──子育てだけではなく、夫婦関係にも悩みを抱える読者も多いです。東村さんご自身も2回の結婚を経験されていますが、ご自身にとって「結婚」とはどんなものでしょうか。 最初の結婚は育児と仕事の両立が大変すぎて、ギスギスしてうまくいかなくなってしまいました。「なんで手伝ってくれないのよ!」っていつも思っていましたから。私自身、仕事と子どものことで手一杯で、夫婦関係にまで気を回すことができなかった。2回目の離婚も似たような理由です。よくいう「すれ違い」ですね。ただ、私自身、結婚そのものには全く否定的ではないです。 結婚=家庭というコミュニティができることだと考えています。夫側の親戚も増えて、自分のベースが広がっていく。家族が仲の良い家庭で育ったので、誰かと支えあってひとりではできないことをやるチームを作るのって素敵なことだと思うんです。 そう思うのも、自分が一人では外食すらできないさみしがりやだからかも。一人でいるほうが気楽という人もいるけれど、私はファストフードすら一人で入れません。「一人でレストランに入るくらいなら、家でコーンフレーク食べればいいや」って思っちゃう。私、このまま一人になったらさみしくて死ぬかも(笑)。孤独を感じないというだけでも、結婚する意味があるんじゃないかと私は思います。
将来は「気が合う人、できれば園芸好きと一緒に暮らしたい」
──「夫婦関係に悩むくらいなら、老後は女友だちと暮らしたい」という意見も聞きます。 友だち同士だと「ごめんね」「ありがとう」を忘れずに言うといった気遣いが必要ですよね。きょうだいなら遠慮がないかもしれないけれど、友だちってどんなに仲良くてもこじれるときはこじれますよ! 皆さんも経験ありませんか? 友だちの家に何日か泊めてもらったり、一緒に旅をしていて、はじめのうちは楽しく過ごしていたのに、だんだんと関係がギクシャクするようになったことが。「まとめて最終日に掃除すればいいや」と思っていたら、「掃除くらいしてよ!」と言われたとか。「老後は気の置けない女友だちと暮らしたい」……。女性同士で集まるとしょっちゅう聞く話ですが、程よい距離感があるからこそ仲良くいられる気がします。 2回離婚したけれど、二度と結婚したくない! とは思っていません。子どもも巣立って老後に一人で過ごすの、私はつまらない気がする。気が合う人と一緒に家庭菜園をやりたいなぁ。私は園芸が好きなのですが、重たい土とか軽石を一人で担ぐのはけっこうつらいから(笑)。一緒に運んでくれる人に出会えたらうれしいですね。