オリランド株1%売却で問われる京成の真意、株安で応えた市場の懐疑
(ブルームバーグ): 物言う株主(アクティビスト)の求めに応える形で、事実上の持ち合い株式として保有するオリエンタルランド株の一部売却方針を発表した京成電鉄。本来なら資産効率の改善期待や売却益の計上で好感されそうな話だが、売却規模が小さかったことが嫌気され、株価は大幅な下落に見舞われた。
8日の日本株市場で京成株は一時前日比10%安と急反落。2020年3月以来、4年ぶりの日中下落率を記録した。日経平均株価の採用銘柄で下落寄与トップ。京成の売却で株式需給が悪化すると懸念されたオリランド株も、一時4.5%安と約3カ月ぶりの安値を付けた。
京成は7日、「東京ディズニーリゾート」の運営会社で、持ち分法適用関連会社のオリランドへの出資比率を1%ポイント減らし、21.15%にすると発表した。国内外投資家への譲渡で調達した資金は株主還元や投資資金に充当する。今回の譲渡額は801億円で、今期(2024年3月期)の第4四半期に特別利益710億円を計上し、特別配当も実施すると8日に発表した。
京成が特別利益710億円計上へ、今期純利益予想を増額-特別配当も
京成、保有するオリランド株1%を売却へ-847億円相当
三菱UFJアセットマネジメントの友利啓明チーフファンドマネージャーは、今後は京成がどのようなメッセージを出すかが鍵になると指摘。「1%分の売却にしっかりとした理由があり、例えば一度に大量に売るのは難しいということなら、今後も削減が続く可能性があり、ポジティブ」と言う。一方、「特に理由もなく1%ということなら、きょうの市場の反応が恐らく正しいということになろう」と語った。
京成が今回決断するきっかけを作ったのはアクティビストだ。英国を拠点とするパリサー・キャピタルは、オリランド株の含み益を考慮すると京成株は著しく低いとし、オリランド株の保有比率を15%まで引き下げ、売却資金を成長促進のための投資や株主還元に充てることを求めてきた経緯がある。