内乱に介入した「韓国軍内の秘密組織」も尹錫悦の責任だ【社説】
軍出身の民間人が情報司令部の前・現職幹部で構成された秘密組織を作り、12・3内乱事態に投入する精鋭要員を選抜したという情況が明らかになった。「市民の常識」から見て想像すらできない今回の内乱事態が計画・実行できたのは結局、現役軍人が大統領尹錫悦(ユン・ソクヨル)を頂点とする「陰の組織」(秘密組織)の「不当な指示」に服従したためだ。彼らは「進級」などの私利私欲と、大韓民国で不正選挙が行われたという非常識な盲信にとらわれ、国家を裏切り、絶対に越えてはならない線を越えてしまった。軍組織がめちゃくちゃになった責任も、大統領尹錫悦が負わなければならない。 20日付のハンギョレの報道によると、ノ・サンウォン元情報司令官は今年9月、自身と親交の深い情報司令部所属の2人の大佐に、非常戒厳のために「820(情報専門)特技者のうち中佐や少佐級で全羅道出身を排除し、35人ほどを選抜せよ」という指示を下した。彼らに与えられた任務は、内乱翌日の4日未明、中央選挙管理委員会に進入し、主要実務者30人を首都防衛司令部のB1バンカーに拉致することだったという。 民間人であるノ元司令官がこのような大それたことを主導できたのは、大統領尹錫悦からキム・ヨンヒョン前国防長官につながる「沖岩派(尹大統領の母校である沖岩高校出身者ら)」の強大な人事権があったためだ。この話を聞いた現役軍人たちは、キム前長官の側近中の側近であるノ元司令官の指示をうまく履行すれば、進級審査で有利になると考えたようだ。軍組織のあちこちでこのような「誤った判断」が続き、正常な指揮ラインを麻痺させ、1500人を越える兵力が国会などに進入するとんでもない事態が発生した。金鍾泌(キム・ジョンピル)の陸軍士官学校(陸士)8期が主軸になった5・16軍事クーデターや、全斗煥(チョン・ドゥファン)・盧泰愚(ノ・テウ)など陸士11期中心の「ハナ会」が起こした12・12軍事反乱と作動構造において同じだ。 大韓民国の武力を独占する集団である軍の判断に影響を及ぼす二つの要素は、「能力」と「意思」だ。能力の観点から見れば、軍は今後もこのような事態を起こせる唯一の集団であり続けるだろう。結局、そのような意思を抱くことができないように、文民統制(シビリアン・コントロール)を強化するほかはない。 これまでは韓国社会の民主主義と共に成長してきた軍に、「不当な指示」を拒否して市民の側に立つという信頼があった。ところが、この信頼に応えたのは指揮官ではなく、現場に出動させられた末端の兵士たちだけだった。徹底した捜査と厳罰を通じて、軍内の秘密組織を根絶しなければならない。 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )