バイデン米大統領、年内利下げの予想維持を表明-根強いインフレでも
バイデン氏にとってこれは厄介な問題となる。同氏の再選は、住宅ローン金利の急上昇を目の当たりにしてきた郊外の無党派層をいかに活気づけるかにかかっている。バイデン氏はここ数週間、金融当局が利下げに踏み切るという観測を繰り返し示す一方で、住宅費上昇への政権の対応策を強調するイベントを開催してきた。
世論調査でトランプ前大統領にリードされているバイデン氏にとって、米国民の経済見通しがさらに悪化すれば致命傷になりかねない。バイデン政権が発足してから雇用の堅調が続いているものの、インフレが有権者の不安をあおっている。
ブルームバーグ・ニュースとモーニング・コンサルトが激戦州の有権者を対象に先月実施した世論調査では、個人的な経済状況についてトランプ政権下とバイデン政権下のどちらが良かったかとの質問で、トランプ政権とした回答が16ポイント上回った。回答者の3分の1超が、最も重要な問題として経済を挙げたのに対し、経済が正しい方向に進んでいるとの回答は3分の1未満にとどまった。
トランプ氏は自身が立ち上げたソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への10日の投稿で自身の優位性の拡大を図り、「インフレは再燃し、猛威を振るっている!連邦準備制度が信頼を失わずに利下げを行うことは不可能だ。米国史上最悪の大統領を守りたいことになるためだ!」とコメントした。
一方、バイデン氏は記者会見に先立ち発表した声明で、政権として物価対策にさらに取り組む必要があると認め、「牛乳や卵のような主要食材の価格は1年前から下がったものの、住宅や食料雑貨の価格はまだ高過ぎる」と指摘した。
原題:Biden Predicts Fed Will Cut Rates Despite High Inflation (1)(抜粋)
--取材協力:Steve Matthews.
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Jordan Fabian, Justin Sink, Christopher Condon