再結成を発表したキマグレン、後押ししたのは他界した母親の最後の願い…『LIFE』で大ブレイクも、今だから話せる9年前の解散の真実
キマグレン再結成インタビュー#1
代表曲『LIFE』(2008年リリース)などで一世を風靡した神奈川・逗子発の二人組音楽ユニット「キマグレン」。2015年に解散してからはそれぞれソロ活動に専念していたが、今夏キマグレンとして再結成することが発表された。解散直前のキマグレンには、いったい何が起きていのか。復活の理由と合わせて、メンバーのKUREI、ISEKIの二人に話を聞いた。(前後編の前編) 【画像】「自分たちはただの地元のヤンチャな小僧たち」というキマグレン
他界した母の願いを叶えるために
–––キマグレン再結成おめでとうございます。なぜこのタイミングで復活しようと思ったのか、まずは経緯を教えていただけますでしょうか? KUREI キマグレンは2015年7月に解散しましたが、何か大きなきっかけがないと再結成できないとずっと思っていたんですよね。その中で、昨年8月に母親が亡くなりまして。亡くなる直前まで、母は「もう一度、キマグレン聴きたいな」って言ってくれていたんですよ。 それでISEKIに電話したんですが、そのときはまだ「再結成しよう!」とはハッキリ言えなくて。「そういえば、母親がキマグレンを聴きたいって言っていたんだけどさぁ……」くらいの曖昧な言い方だった気がします。 ISEKI それに対して、僕は「(再結成)してもいいんじゃない?」と答えました。 –––ISEKIさんも、再結成について考えていたということでしょうか? ISEKI そうですね。キマグレン解散後、個人で活動を続ける中で、「もう一回やれたらいいなぁ」と漠然と心のどこかで考えていたと思います。 KUREI ISEKIがそう考えていたことについて、僕は察せていなかったんですよ(笑)。それくらい自分の活動に集中していたし、母が亡くなるまでは、僕の中でキマグレンを再結成させる気持ちは0%だったと思います。 だから、ISEKIへ電話したのは、僕の中ではとても大きな出来事で…まず、電話をかけるにもすごく勇気が入りましたね。スマホの着信履歴に残っている「井関靖将」という文字を凝視しながら、数日考えて、やっと電話をかけたという。 –––ISEKIさんとしては、KUREIさんから電話がかかってきたとき、「ようやくか」という気持ちでしたか? ISEKI いや、そうでもなかったですね。二人ともそれぞれの活動があって、正直「キマグレンがなきゃ生活できない」という状態でもないんですよ。だからこそ、KUREIから電話が来たとき、シンプルな気持ちで「いいじゃん」って思えた。自立している状態だからこそ、変なプライドもなく、素直に受け入れられたんだと思います。ただ、KUREIは言いにくそうでしたけどね(笑)。 –––そう素直に思えた理由としては、お二人が自立して生活できていたことに加え、やはりキマグレン時代が印象深く記憶に残っているからでしょうか? ISEKI 僕の中では、「やっぱりキマグレンってすごいな」という気持ちがあって。『LIFE』という曲が持っているパワーだったり、キマグレンというブランドだったり……当時は気がつかなかったんですが、解散して9年が経ち、ソロとしても活動する中で、「やっぱり(キマグレンには)敵わないな」と思ってしまう部分があったんです。あのエネルギーは、やっぱりキマグレンだからこそ生み出せていた。そういう気づきが蓄積されていたタイミングでKUREIから電話をもらったので、スッと受け入れられたんだと思いますね。 KUREI 正直なところ、僕はISEKIよりも深く考えてなくて……。冒頭の話に戻りますが、僕には母に何かをしてあげたことが全然なかったんですよ。生前、母にはすごく大事にしてもらっていたのに、なぜかずっと素直になれなくて。 葬儀などがひととおり済んだあとに「俺、何もしてあげられなかったな」と、2か月くらいずっと悶々とした気持ちだったんです。それで、「そういえば、キマグレン聴きたいって言っていたな」と、重い腰を上げてISEKIに電話をかけた、といった具合です。 ただ、きっかけはそういったものでしたが、現在は「今までの感謝を」とか言うつもりもなく、純粋にキマグレンとして二人で本当にいいもの発信できたら、と考えています。
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