朝乃山、ぶっつけ本番を覚悟「歯がゆさや焦りもある」/名古屋場所
大相撲名古屋場所だより(14日初日、ドルフィンズアリーナ)元大関で、休場明けとなる東前頭12枚目朝乃山(30)が、本格的な相撲を取る稽古がままならないなか場所を迎える覚悟を固めた。 約3年ぶりに三役に復帰した5月の夏場所は、春巡業中に痛めた右膝じん帯損傷のため休場。負傷での全休は自身初の経験で、治療に専念した。5日は愛知・蟹江町の高砂部屋で幕下力士らを相手に立ち合いを繰り返した。当たりを受け止めて押させ、押し返す動きを繰り返し「膝は大丈夫。残すことも稽古。相手を横へ動かさず正面に置いて取るようにしたい」と回復を強調した。 ところが、6月27日の稽古中に右まぶた上に裂傷を負って7針縫い、抜糸はできていない。このため同下旬以降、申し合いや三番稽古を回避している。一両日中に診察を受けるが、「無理をして傷口が開いたら意味がない。けがをした自分に腹が立ち、歯がゆさや焦りもある。でも、出られる喜びを感じたいので、気持ちだけは落とさないように」と前を向いた。(奥村展也)