幸福度が自然と上がる「人生設計書」の書き方
あなたは何を望んでいますか? 「本当に」それを望んでいますか? 今の質問に、「人生で」という言葉が加わると、これは答えるのが最も難しいタイプの問いかけになります。 「答えはわかっている」と思える人もいるでしょうが、「今ひとつ確信が持てない」とか「もっといろいろな可能性がある気がする」という人は、この問いかけにはっきりと答えられないのではないでしょうか。
人生の設計書を作る方法
Bonnie Wan氏も2010年に、この難問に答えが見出せず、行き詰まりを感じていました。のちに『The Life Brief: A Playbook for No-Regrets Living (人生の設計書:後悔のない生き方のために)』という本を著したWan氏は、はた目には非の打ち所がない人生を送っているように見えました。 素晴らしい夫に、3人の子ども、素敵な家を持ち、夢のようなキャリアを築いていたからです。 しかし心の内はというと、疲労感にさいなまれ、さまざまな疑問を抱えていました。 Wan氏は自分の仕事において、クライアントが自身の本音にたどり着く手助けをするために、質問を投げかけたり、「クリエイティブ・ブリーフ」と呼ばれる、広告戦略を簡潔にまとめた設計書を作成したりしています。 そこでWan氏はこの手法を自分自身にも適用して、「ライフ・ブリーフ(人生の設計書)」を書くことにしました。 「ライフ・ブリーフを書くのに適しているのは、世の中に出ていく上で、自分で思い描いた道に進む準備ができている人です」とWan氏は説明します。
ステップその1:手当たり次第に思いを綴る
第1の、そして一番大切なステップは、「手当たり次第に思いを綴る」ことです。 「大抵の人は、行動に関してバイアスを抱えています」とWan氏は言います。 「わたしたちは、ToDoリストやバケットリストなど、あらゆる種類のリストを作ります。しかし、自分の心の奥底にある願望や声に耳を傾けて、深みのある明確な指針を得るという大切な部分を抜かしてしまうのです。 手当たり次第に思いを綴る過程で、人は心を開き、赤裸々なまでに正直になることができます。これは、子どもの頃から身につけ、言い聞かされてきた考えと、本当の意味での「自分の心の声」をより分ける過程です。 そのための1つの手段として、毎日10分間、頭に浮かんだことを日記やノートに何でも書いてみる方法があります。どんなものであれ、考えや感情が心から湧き出るに任せ、取捨選択することなく、そのままページに書きつけるのです。 「先入観を捨て去れば、ノートを書く中で、自分の内にあるあらゆる思いを表に出すことができます」とWan氏は言います。 自分なりの答えを得られたら、『自分という人間』と関係を築くことができます。さまざまな感情、不安や恐れと距離を取り、自分の考えを、好奇心のレンズを通して見られるようになるのです。