堺出身のKANA-BOON、『生きてゆく』は「僕らにとってすごく大事な曲」/大阪
大阪出身としてふさわしいポジションで
──大阪やったら802ですよね。「MEET THE WORLD BEAT」はどんなイメージでした? こんな構成でやりたいというアイデアはありますか? 谷口 一番でかいフリーライブってイメージですね。毎年毎年、すごいなーって。 古賀 セットリスト的なものですよね? フェスとかいろんな人の目に触れるときは、「最強セットリスト」があるんです。その場その場でできる僕らのベストを組もうかなと。 谷口 僕らを知らない人も多いしね。「MEET~」は出演者も普段一緒にならない人たちも多いし、観に来られる方も、僕らのことを聴かへんような人も多いから、そこらへんの人たちにもどう聴いてもらえるか。ちゃんとパンチのある曲をやりたいな、そんなライブをしたいなって思います。いかに、どう“MEET”していくかー。 古賀 そう、”MEET“して、その人たちの心に……。 谷口 使い方、あってんのか?(笑) 飯田 あってると思うねんけど(笑) 古賀 じゃ、「使いすぎたら間違い」で(笑) ──やっぱり、地元やから、大阪のアーティストだからっていう思いはありますか? 谷口 それはもちろん。(大阪を)代表するって言うとおこがましいけど、地元のイベントなのでふさわしいポジションではありたいなと思います。
ニューシングルへの思いは?
──8月27日にニューシングル『生きてゆく』がリリースですね。どんな思いを込めて作られたのですか? 谷口 昨年、僕らは大阪を離れて上京したんですけど、その直前にできた僕の個人的なパーソナルな別れをテーマにした曲で。当時、僕ら的にもすごくいい曲ができたなっていう意識はあったんですけど、その気持ちを切り取ってそのまま置いてあったというか、だから音源化する予定もなかったし、ライブでやることもなかったんです。最近のKANA-BOONは(『結晶星』や『フルドライブ』のような)踊れる、フェスとかでも人が食いついてくれるような曲をやってたんですけど、でも、元々のKANA-BOONは『生きてゆく』みたいな面もあって。だからあえてこのタイミングで出して、もう一つのKANA-BOONを知ってほしいなと思って。もちろん成長もしたので、『生きてゆく』を当時からアップデートして、歌詞も変えて、テーマも“別れ”から“前に向かって生きていく”って、上京までして作った自分たちの音楽の道で生きていくっていうのに変えた。気持ちを乗せられる、僕らにとってもすごく大事な曲です。 古賀 今までと違って、ギターワークが目立たないというかそこまで前に出ない感じになってるんですけど、バンドなんで、ドラム、ベース、ギターとか後ろで鳴っている音もちゃんと聴いてほしいなって。例えば、2サビが終わったところの落ちメロ(Eメロにあたるところ)のとことか、エモーショナルな展開のところではギターが後ろで3本で鳴っていたりベースが絡んでるとか、そういったところも聴いてほしいって思ってます。歌ばっかりにいっちゃいがちやけど、バンドっていうのをわかってほしいなって。 飯田 そういうのもあるけど、何回も聴いてほしいなってのがすごくある。夏に出すシングルなのにアップテンポじゃないってことで、いい意味でお客さんの期待を裏切るみたいな感じになると思うんですけど、いい感じで夏の「ロストラブ」みたいな感じの……。 谷口・小泉・古賀 ロストラブ・・・。曲のテーマ変わってしまうやんか(笑) 飯田 そういう意味合いっていうか、そう聴こえるひともいるんやないかって。夏やからアップチューン、でなくてもええし。落ちサビのベースインの切ないけど前向きにいくぜってとこもよかったら聴いてください。 小泉 この曲を作ったときよりいろいろ経験しているので、どれだけいろんな表現力が出せるか、このビートで出せるかってのが今回の見せどころ。経験したことによって、この曲の昨年の解釈の仕方と今の解釈の仕方も違ってドラムの持っていき方もすべて変えられて、できあがったときにすごいいいドラム叩けたなと思って。今回は全曲、ドラムの音もチューニングして変えているので、音の違いも聴いてほしい。 谷口 そんなに壮大なテーマな曲ではないので、聴く人にもすーっと入っていくんじゃないかなって。僕らは背伸びをしないし、バンドとしても音楽としても。そのままの姿のまま受け取ってくれたら一番嬉しい。でも聴く人にとって、意味が変わったり新しい感覚が生まれたりっていうのも、それはそれで嬉しいです。