帰還の町伝えた情報紙廃刊 福島・大熊「もう普通だから」
福島県大熊町の職員有志が発行してきた情報紙「大川原ライフ」が3月に廃刊した。2011年3月の東京電力福島第1原発事故による全町避難から帰還した町の日常を、絵を交えた手書きの文字で伝えてきた。廃刊の理由は「もう普通の町になってきたから」だ。 福島第1原発がある大熊町は11年3月12日、全域に避難指示が出された。19年春、南西部の大川原地区で事故後初めて避難指示が解除されたが、人口約1万人のうち町に戻ったのは60人ほど。情報紙は全国に避難を続けている多くの町民の不安に、実際に住んでいる町職員の目線で答えようと19年10月に始めた。