戸上隼輔、張本智和との決勝は「一生忘れられない試合」 選考レースは「重圧に押しつぶされそうな2年間」＜全日本卓球2024＞
＜天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会（一般・ジュニアの部） 日程：2024年1月22～28日 場所：東京体育館（東京）＞ 【写真】準優勝となった戸上隼輔（明治大） 28日、2024年全日本卓球選手権大会は最終日を迎え、男子シングルス決勝が行われた。 連覇を狙う戸上隼輔（明治大）は、張本智和（智和企画）と卓球史に残る激闘を展開。戸上は、8度のマッチポイントを握るも、張本の執念に一歩及ばず、惜しくも準優勝となった。 決勝の試合後、戸上が報道陣の質問に答えた。
戸上隼輔（明治大）コメント
＜決勝を振り返ると＞ 8本のマッチポイントを取っていながら、冷静さが欠けていて、自分の狙いが定まらずそのままプレーしてしまったというのが、敗因なのかなと。 自分のスタイルは通用したんですけど、あと1本というときに思い切ってできなかったというのは非常悔しいです。 勝ちたい気持ちが先走って力んでしまったり、どうやって得点していたかを思い出せずにそのままプレーに入ってしまったり、自分を客観的に見ることができなかったというのがありました。 ゲームの終盤になるにつれて、プレッシャーだったり、緊張だったりで、少し気持ち悪さもありました。あと1本というときにそういう自分の気持ちを抑えようと必死になりすぎて、プレーをおろそかにしてしまったというところがありました。 ＜張本選手との決勝を戦えたことに関して＞ 今年はオリンピックイヤーで特別な年ですし、これから半年後オリンピックがある中で、全日本の決勝で対決できたというのは一生忘れられない試合になりました。 悔しい気持ちを糧に次の世界卓球、オリンピックのメダルを目指して頑張っていきたいなという思いです。 ＜3-3の13-13で張本選手が会場を煽った場面について＞ 嬉しかったですね。 張本選手がどういう意図でやったのかわからないですけど、彼もつっているような仕草を見せていたり、僕も声を出したいのに声が出ず、気持ち悪さがあったりする中であのパフォーマンスをしてくれて、ちょっと前向きにプレーに集中できるように視野が広がったので、盛り上げてくれてありがとうという気持ちもありました。 ＜「今後も決勝で何度も戦いたい」と張本選手が言っていた＞ 日本代表の1番手、2番手として、日本を背負ってこれから戦っていきたいという思いは僕もあります。 そうして張本選手に認めてもらって、半年後のパリ五輪に向けて切磋琢磨していけたらいいなと思っています。 ＜選考レース2年間を振り返ると＞ 一言で言うなら『重圧に押しつぶされそうな2年間』でした。 期待をしてもらっているからこそ結果を求められる機会が増えたり、大きな大会に出場させてもらえる機会も増えたりしました。 結果が出ないときもありましたし、そのときは非常に辛いなと思ったんですけど、「自分が日本を背負って引っ張っていく」と宣言したからには、その言葉の責任というのもあると思っていました。 この2年間というのは本当に苦しかったです。 でも、成長を実感できたり、世界ランキングが上がったりトップ選手に勝ったりする機会も増えてきているので、その重圧というのはこれから半年の方が辛いというのは自分の中で覚悟しています。 まずはこの2年間戦い抜いた自分を褒めたいですし、ここから半年の方がきついぞというのを世界卓球前に気を引き締め直してやっていきたいなと思っています。
戸上隼輔（明治大）試合結果
＜4回戦＞ 戸上隼輔（明治大） 4-2 木塚陽斗（明豊高） ＜5回戦＞ 戸上隼輔（明治大） 4-1 五十嵐史弥（滋賀県スポーツ協会） ＜6回戦＞ 戸上隼輔（明治大） 4-1 松平健太（ファースト） ＜準々決勝＞ 戸上隼輔（明治大） 4-0 田中佑汰（個人） ＜準決勝＞ 戸上隼輔（明治大） 4-3 吉村真晴（TEAM MAHARU） ＜決勝＞ 戸上隼輔（明治大） 3-4 張本智和（智和企画）
ラリーズ編集部
