【マイラーズC】中団から立ち回れる馬を評価 京大競馬研の本命は実績、能力ともに最上位のセリフォス
開幕週の高速馬場とコース形態の兼ね合いに注意
4月21日(日)にマイラーズカップ(GⅡ)が行われる。一昨年の覇者ソウルラッシュ、マイルCS覇者セリフォスら日本マイル路線の一線級に、古馬重賞初挑戦で京都金杯を制したコレペティトール、初マイルの富士Sでナミュールに迫ったソーヴァリアントなど多くの有力馬が集まり難解な一戦となった。 【マイラーズカップ2024 推奨馬】総合力はNo.1、京都マイルは連対率100%で相性抜群! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 以下では、本レースが行われる京都芝1600mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 まずは京都芝1600m(外回り)のコース形態を見る。スタート地点は向正面で、初角までの距離は約700m。向正面半ばからは徐々に坂を上り、3コーナーのところで頂上を迎え、4コーナーにかけて下る。約400mの平坦な最終直線を駆け抜けるというレイアウトだ。 まず注目すべきは初角まで約700mもの距離があるという点。序盤の隊列は定まりづらく、長く先手争いが続きやすい。それに加え、コーナーに入った後もそこを頂上として最終直線まで下り坂となるため加速していく傾向がある。全体としてスタートからゴールまで淀みないラップが続く、かなりタフなコース形態となっている。 時計が出やすく内前が止まりにくい、開幕週の高速馬場で施行されるレースでありながら、本レースは特段内前有利なレース質を持たない。その理由はまず序盤、中盤で淀みないラップを刻むため、先行する負荷がそれなりに大きいからだ。加えて、軽い芝のおかげで後続も脚を使わずに追走してくるため、速い時計の割に馬群が凝縮し、先行勢が十分なリードを築けない状態で直線を迎えることが多い。先行勢が粘り込むには3~4角でリードを保つための早仕掛けから高速の持続力勝負に持ち込むしかないが、それができる適性や地力のない馬は直線半ばでいっぱいになる。 これは数字からも明らかであり、京都競馬場で施行された直近10回のマイラーズCにおいて、4角5番手以内の馬の成績は【6-5-6-40】勝率10.5%、連対率19.3%、複勝率29.8%、単勝回収率74%、複勝回収率78%だ。1~5枠の馬に絞っても【2-3-4-22】勝率6.5%、連対率16.1%、複勝率29.0%、単勝回収率25%、複勝回収率83%。つまり、特に内前有利なレースではないのである。 もちろん前目からの競馬で押しきった馬もいるが、その馬たちは軒並み上がり3F32秒前半から33秒前半の速い脚を使えており、まさに高速持続戦適性の高い、地力のある馬だった。開幕週だからといって内前で立ち回った馬が惰性で残せるほど甘くなく、むしろ先行勢ほど地力が問われるレースであることを念押ししたい。むしろ、地力がないにもかかわらず内前で立ち回れることを買われ、過剰人気が想定される先行馬はオッズ妙味の観点から評価を下げる。 続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。前走の通過順位に3番手以内がある先行馬は計3頭で、出走馬17頭に対し多くはない。ただ、ほかの馬もテンが速い馬、先行意識の高い馬はそれなりにいる。開幕週と今回のメンバー構成なら騎手の意識は前に向き、ある程度色気を出して先行していくと想定される。前述のコース形態に加え、ラップ的にも先行負荷が大きい展開になるだろう。 とはいえ、開幕週で馬場が速いことには変わりなく、最後方から馬群の外々を回して速い上がりを使っても先頭までは物理的に届かない。序盤、中盤では中団前方~やや後方の内目で脚を溜めながら追走し、インアウトの形で最後に末脚を伸ばせる馬を最も展開に恵まれる馬と評価する。次点は前目で立ち回りながら高速持続戦適性の高さと、地力で前残りし得る馬を評価して印を打つ。