ネットの冷笑は社会の映し鏡…「私にできること」は何かを考えよう
「ネットの冷笑は社会の映し鏡」だ―――。RKB毎日放送の神戸金史解説委員長は21日、出演したRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』でジャニーズ性加害者当事者の会のメンバーや、イスラエルのガザ侵攻の反対デモに参加する人たちをネットで冷笑したり攻撃したりする人たちについて取り上げながら、「私たちができることは何か」を考えた。 【写真で見る】ネットの冷笑は社会の映し鏡
とうとう犠牲者を出したネット攻撃
毎日新聞に「元ジャニーズ男性死亡 中傷許さぬネット社会に」という社説が出ていました(11月20日)。 https://mainichi.jp/articles/20231120/ddm/005/070/013000c 「ジャニーズ性加害問題当事者の会」メンバーの40代男性が山中で死亡しているのが10月中旬に見つかった。警察は自殺と見ている。(中略)「売名行為」「金がほしいだけだろ」などとSNS(ネット交流サービス)で中傷され、悩んでいたという。 とうとうこんなことまで……とみなさん思ったでしょうね。自分の好きな推しを守りたいという気持ちを持った人も多かったのかもしれませんし、単純に「いじってみたい」という人もいたのかもしれませんが、社説では「違法行為をした人物には相応の責任を取らせなければならない」と。本当にそう思います。 「ひいきの引き倒し」という言葉がありますが、「ひいきし過ぎて、かえってその人を不利にすること」という意味ですよね。旧ジャニーズ事務所のためにも、タレントさんのためにもならないだろうな、と思います。
ネットにあふれる「冷笑」
一方で、誹謗中傷だけではなくて、「冷笑」系もネット上にはあって、「あざ笑う」とか「いじって笑いを取る」とかもあるかと思うのです。ひろゆきさんはとても人気のある方で、頭もよくてキレがいい。 でも時に「冷笑」系の発言もあって、沖縄の基地反対行動に関して、座り込みをやっていないじゃないかと書いたことがあって、本土の生まれである私も、「個人的に」と言いつつ、沖縄の人たちに対して抑圧する側になっていたことは歴史的も否定できないので、一つ一つ例を挙げて「ごめんなさい」と言ってみたんです。ネット上ではプチ炎上しましたが「それでもいいや」と。 ひろゆき氏ツイートに思う「#沖縄の皆さんに本土からごめんなさい」 <沖縄の基地反対行動に関するひろゆき氏のツイートが議論となっている。RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』のコメンテーターを務めるRKB報道局の神戸金史解説委員は「同じ“本土生まれ”として、申し訳ない気になった」という。11日放送の番組で運動論と、歴史の面から思うところを語り、「ごめんなさい」と繰り返した> 一生懸命な人を、シラっと冷笑する、嘲笑するというのもネットの悪い特徴のひとつだと思うんですね。この時、「勝手に本土を代表して謝るな」といっぱい書かれたんですが「だから個人的に、って言ってるじゃない。代表してませんから」と思いました。本土の一人の人間として、こんなことを思っています、と言ってみたかったのですね。 その時に考えていたのは、「心を寄せる」ということでした。例えば弱い人、苦しんでいる人がいた時、「それはお前の自己責任だろう?」というより、僕は立場が違うけれども「想像すると大変だな」と、心を寄せること。これもネット上の重要な機能なんじゃないかな、とも思っているんですね。