東京~アジア、国内感覚で行き来できる時代に
海外に飛び出す日本の若者が減っていると言われる。もともと島国で暮らす日本人には内向き意識が強かった。しかし、日本の国際化が叫ばれて久しく、2020年の東京オリンピック開催も決定。グローバル化がますます進行する流れだ。そうした中、近隣アジアはもはや国内感覚で行き来できる環境が整いつつある。
筆者は10月下旬、台湾を訪問することとなった。海外に行くに当たり、まず必要なのは航空券の確保。今やインターネットで国際線の格安航空券も手軽に購入できる。今回利用したのは、「エクスペディア」という旅行予約サイト。世界の400社以上の航空会社のチケットを予約できる。「行き先」や「日にち」などを入力するだけで、航空便のリストと料金の一覧がずらりと表示された。 今回は、シンガポールに拠点を置く格安航空会社(LCC)の「スクート」を選択。ビジネスクラスでも片道2万5810円。クレジットカードで簡単に決済できた。次の問題はホテル。かつては海外のホテルを旅行会社を通さずに個人で予約するのは、言語の問題などでハードルがあった。しかし今回、エクスペディアのスマホアプリで、台湾のホテルを検索し、拍子抜けするほどあっさりと予約できた。日本語の口コミがどれも豊富で、日本のホテル選びと変わらない便利さだった。
出発当日。成田空港(千葉県成田市)内で、事前に予約してあった海外Wi-Fiレンタルの機器を受け取る。これがあれば海外に出かけても、持参するiPhoneやiPadが国内と同様に自由に使えるので大助かりだ。そして機内への搭乗。出発ゲート前は多数の乗客でにぎわっていたが、ビジネスクラスなので優先的に搭乗できた。黒の革張りシートは座り心地が良く、前席との間も広いので、足をゆったり伸ばせた。もちろん機内食も出る。これで海外に行けて、正規航空会社の東京~福岡間とほとんど変わらない値段とは驚きだ。 約3時間で台湾・桃園国際空港に到着。台北市内行きのリムジンバスが多数あるが、あえて路線バスで近くの「桃園駅」へ。ここから2007年に開通した台湾の高速鉄道に乗った。日本のJRの技術が導入されており、車内の様子や走りのスムースさは、日本の新幹線に乗っているような錯覚を覚えるほど、うり二つだ。 台北駅の地下ホームに到着。改札を出てそのまま地下街に出た。たくさんの人々や商業施設でにぎわっており、経済の活発さを感じる。スターバックス、マクドナルドはともかく、吉野家やカレーのCoCo壱番屋、モスバーガー、山崎パンなど、日本でおなじみの店々が目に入り、異国を感じさせない。