さだまさしチャリティーコンサート「長崎から、能登へ」被災地のために届ける音楽とエール
豪華ゲストたちの感動のステージ
コンサートのトップバッターはフォークデュオ「グレープ」。 眼鏡橋や思案橋など長崎の名所が次々と歌詞に出てくるグレープがアマチュア時代に作った「紫陽花の詩(うた)」。さださんは「長崎でグレープとしてこの曲を歌うのは感慨深い」と、結成から52年が経ち苦楽を共にした“相棒”との時間を噛みしめているようだった。その後は「精霊流し」「殺風景」と続き、次のゲストへバトンタッチ。 2024年12月にデビュー30周年を迎えるゴスペラーズは代表曲の「ひとり」をはじめ、平成・昭和のヒット曲をアカペラで歌い上げた。 きらびやかなドレスに身を包み登場した岩崎宏美さんは、代表曲「ロマンス」やさださんが楽曲提供した「残したい花について」。そして「この曲を歌っていた20代の頃にはわからなかったが、今なら思いも乗せて」と言い、戦場で疲れた人々を癒す聖母を歌った「聖母たちのララバイ」を披露した。 シンガーソングライターのスガ シカオさんは、アコースティックギター一本でステージに立ち「夜空のムコウ」や「Progress」など3曲を歌った。スガさんは自らもギターを手に能登の避難所を回り、2日で8公演をするなどして支援を行ってきたという。 演歌歌手の水谷千重子さんは色鮮やかな着物で登場。オリジナル曲などを伸びやかな声で歌い上げ、軽快なトークでも会場の笑いを誘っていた。
被災地へのエールを来場者と共に
そして、ステージのとりを務めたのはさだまさしさん。 「案山子」「道化師のソネット」「秋桜」「北の国から」「いのちの理由」をトークを交えながら披露。その中でさださんは「今回のコンサートを能登の人にも届けようと被災地でのライブ中継に向けて動いていた。しかし9月の豪雨災害で疲弊してなかなかみんなで音楽を聴こうというところまでは心が落ち着いていない。長崎は『長崎大水害』や『雲仙普賢岳噴火災害』の時に日本中が応援してくれた。その時の『がんばれ、長崎がんばれ』という声は胸に染みた。その恩はどっかで返さなきゃいけないと思っていた」と語り、コンサートの収益金の全てと映像を被災地に届けると約束したうえで、来場者に能登へのエールを呼び掛けた。 来場者は声をひとつにして「能登、がんばれー!」と、何度も被災地にエールを送った。