「バスなど先行事例踏まえ対応検討」交通系IC廃止めぐり熊本市電
熊本朝日放送
全国共通の交通系ICカードの決済を廃止する方針の熊本市電。熊本市の大西一史市長は、先に廃止する見通しのバス事業者などの状況も見て、検討するとの考えを示しました。 13日の熊本市議会で、吉村健治議員(市民連合)は「市民はもとより、私たち議員も寝耳に水の状態であり、利用者目線を完全に無視したもので、非常に軽率な判断であったと言わざるを得ません。白紙に戻して、再検討する考えがあるのかどうか」と質しました。 運賃の支払い方法の変更については、全国共通の交通系ICカード決済を年内にも廃止すると発表したバス事業者など5社に続き、熊本市電も廃止の方針を示していました。 2026年4月からは地域型のくまモンのICカードやクレジットカードのタッチ決済などでの対応となるため、利用者からは戸惑いや疑問など様々な声が挙がっています。 13日の市議会で「今回の多額の更新費までは想定をしておりませんでした」と述べたのは、井芹和哉交通事業管理者。 ネックになっているのが、全国共通の交通系ICカードの読み取り機器の約2億円という高額な更新費用です。導入の際には、この費用について想定していなかったことを明らかにしました。 また、大西一史市長は「電鉄、バスの事業者の動向をしっかり見極めながら、そして、全国交通系ICカードの事業者の今後の色々な反応も見極めながら、丁寧に検討してまいりたい」と述べ、議会後、次のように話しました。 大西一史市長 「(更新費用が)こんなに多額になるということは普通は考えませんよね。今後、莫大な更新費用がさらにかさんでいくということになれば、全国の決済システムは本当に大きな問題になると、私は非常に強い懸念を持っております」 今後の対応については、先行例となる見通しのバス事業者などの動きのほかに、市民の意見も聞いて判断するとしました。