所属先の近大で引退会見に臨み笑顔を見せる古川＝21日午後、大阪府東大阪市

　今夏のパリ五輪で日本選手最多に並ぶ6大会連続五輪出場を果たし、これまで三つのメダルを獲得したアーチェリーの古川高晴（40）＝青森市出身、青森東－近大出、近大職＝が21日、現役引退を発表した。25～27日に東京都で行われる全日本選手権を最後に一線を退く。古川は「競技を始めて25年。多くの方々の支えのおかげで誇らしい成績を残すことができた。手を抜かずに努力し続けてきたことが私の誇り」と競技人生を振り返った。 　21日は大阪府東大阪市の近大東大阪キャンパスで記者会見を開き、引退を発表。昨年夏に近大洋弓部の山田秀明監督（73）らと話し合って決断したといい、古川は「国際大会であまり良い成績を収められなかった。私が代表の座にいるより、若い選手に譲ってたくさん経験を積んでもらって強くなってほしいと思った。指導者として、第二のアーチェリー人生を始めるのに良い年齢かなとも考えた」と理由を明かした。 　青森東高校1年生で競技を始め、人一倍の練習で頭角を現した。近大2年生だった2004年のアテネ大会が五輪初出場。12年ロンドン大会では、自身の五輪最高成績となる個人銀メダルを獲得。21年東京大会では個人、団体とも銅メダルを手にした。全日本ターゲットアーチェリー選手権男子も5度制覇。12年東奥賞、22年東奥スポーツ賞特別顕彰受賞。 　悲願の金メダルを目指してフォーム改造に取り組み臨んだパリ五輪は、後輩との日本勢対決となった個人1回戦で逆転負けを喫するなどメダルに手が届かず。個人戦後は「挑戦の結果」と受け止め、悔しさをにじませていた。今後は近大洋弓部でコーチを務め、「今までは私自身のために全ての時間とエネルギーを使ってきたが、これからは後輩たちのためにそのエネルギーを使いたい」と抱負を語った。 　◇ 　＜ふるかわ・たかはる　1984年、青森市出身、近大職。青森東高校1年生の時にアーチェリーを始める。五輪は2004年アテネ大会で初出場し、個人2回戦進出、団体8位。08年北京は個人1回戦敗退。12年ロンドンの個人で銀メダルに輝いた。16年リオデジャネイロは個人8位。21年の東京では個人、団体ともに銅メダルを獲得した。6大会連続出場となった24年のパリは団体8位、個人1回戦敗退だった＞