那須川天心が判定で流血ベルト奪取!「俺の大事な顔に傷つけやがって」世界挑戦への第一歩
プロボクシング興行「Prime Video Presents Live Boxing10」(14日、東京・有明アリーナ)2日間にわたる国内史上最大級の興行の最終日が行われ、WBOアジア・パシフィック・バンタム級王座決定戦は、キックボクシング42戦全勝で、同級1位の那須川天心(26)=帝拳=が同級2位のジェルウィン・アシロ(23)=フィリピン=に3-0の10回判定勝ち。ボクシング5戦目で初のタイトルを獲得した。日本国内での世界挑戦が可能となり、来年の世界初挑戦へ前進した。 那須川は勝者コールを聞くと、もどかしそうに小さくうなずいた。 「無事にアジアのベルトを巻くことができた。KOしたかったけど、研究されていた。ボクシングを10ラウンドできることは証明できた」 中盤から攻勢を強めたが、ディフェンスの良いアシロになかなか有効打を与えられなかった。9回に左ボディーストレートをヒットし、相手がバランスを崩してダウンを奪う。10回にはバッティングを受け左目上をカットし、流血。KOはならなかった。 4日にテレビのニュース番組に生出演。米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手(30)について「テレビつけたら大谷翔平ばっかで、みんな飽きちゃわないですか?」と発言して波紋を呼んだ。 大谷はこの日、リーグ優勝決定シリーズ第1戦で2安打1打点と活躍しチームの勝利に貢献。会見では大谷を超えられたかとの質問も飛び、「政治的に無理でしょうね。試合的にもじゃないですか。判定じゃ無理でしょ」と潔く認めた。 15歳でキックボクサーとしてプロデビューし、今回が格闘技の公式戦通算52戦目。初めてのカットだった。「俺の大事な顔に傷つけやがって…。顔で売ってんのに」と冗談を飛ばしつつ、「ボクサーだなと思った」としみじみ語った。 キックボクサー時代を含めて自身過去最軽量のバンタム級(リミット53・5キロ)で闘い、初のベルトを獲得。日本国内での世界挑戦が可能となった(海外では世界ランク入りのみで可能)。バンタム級は4団体の世界王座を日本選手4人で独占中。「強いと言われている選手を全員倒したい」と力強い。 那須川に対戦のラブコールを送る、同じ元キックボクサーのWBO王者、武居由樹(28)=大橋=はリングサイドで観戦。那須川は「武居くん、勝ちましたよ」と生報告した。那須川は防衛戦はせずに王座を返上する意向で、「あと1戦か2戦か段階を経て、(世界王座に)挑戦したい」と青写真を描く。