あなたのすべてが詰まったパソコン・スマホ、そのままで死ぬと大変なことに…誰もが「デジタル終活」をするべき理由【司法書士が解説】
終活と言えば財産整理や部屋の片づけがパッと頭に浮かびますが、忘れてはいけないのがパソコンやスマホに大量に入ったデータの整理。人に見られたくないものの整理はもちろん、SNSや会員登録しているWEBサイト、ネットバンキングやネット証券のID・パスワードなども、遺された家族が困らないよう生前に整理しておく必要があります。本記事では『ふと、終活のことを考えたら最初に読む本』(日本実業出版社)から一部抜粋し、デジタル終活のポイントをご紹介します。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編(令和3年度)>
登場人物 あんみつ先生(45歳)…司法書士。都内の会社を退職し、実家のある田舎町にUターン。司法書士事務所を開業し、おもに相続と成年後見を中心に業務をしている。また、副業で終活セミナーの講師もしている。 吉田小春さん(65歳)…専業主婦。あんみつ先生のご近所さん。子供2人はすでに独立し、現在は夫と気ままな2人暮らし。 吉田健二さん(70歳)…小春さんの夫。長年勤めた会社を定年退職し、家で趣味を楽しみ、のんびり暮らしている。
パソコンやスマホのデータを整理する「デジタル終活」
先生 私たちのパソコンやスマホの中には、大事なデータがたくさん入っています。だから、亡くなる前にきちんと片付けておきたいですよね。 吉田 自分のプライバシーに関わることがたくさん入っています。スマホもパソコンも、できれば墓場に持っていきたい。 小春 あら、夫のデジタル終活、ちょっと気になるわ…。 デジタル終活とは、デジタルデータを生前整理することです。パソコンやスマホの中のデータを整理せずに亡くなると、大きなトラブルにつながるケースもあり、デジタル終活は非常に重要な終活の1つです。いまの60代、70代の方々はパソコンやスマホを上手に使いこなしているので、デジタル終活も必須です。 デジタル終活をしておくべきデータは非常にたくさんあります。たとえば、パソコンやスマホの中の写真などのデータのほかに、ブログやフェイスブックなどSNSのデータ、会員登録して課金されているWEBサイト、ネットバンキングやネット証券の口座などです。 ほとんどの人は、パソコンやスマホ内のデータが同期されるなどしてクラウド上にもありますが、亡くなったあとにクラウドのデータがどうなるのか考えている人は意外と少ないかもしれません。