航空自衛隊のレーダー配備、沖縄県・北大東島を「適地」判断…予定地はサトウキビ畑の保安林
航空自衛隊の移動式警戒管制レーダーの配備計画を巡り、防衛省が沖縄県・北大東島(北大東村)の環境調査の結果、同島を「適地」と判断したことがわかった。複数の政府関係者が明らかにした。27日に鬼塚三典村長らに説明する。中国軍が太平洋への進出を活発化させる中、同省は空自のレーダーがない太平洋島嶼部の「空白地帯」を解消し、警戒監視を強化する方針だ。 【地図】東大東島の位置
島は沖縄本島の東約360キロ・メートルに位置し、人口は約550人。配備予定地は北大東空港に近い村有地で、隣接するサトウキビ畑を塩害から守る保安林となっており、一部住民の間に伐採による塩害の影響を懸念する声がある。そのため同省は、昨年3月から約1年間にわたって環境調査などを実施。保安林を伐採しても影響はないと結論づけた。
村によると、27日に島で同省の担当者から説明を受けるという。同省は7月中旬に2回目の住民説明会を開催するなどし、村が受け入れを決定すればレーダーの配備を進める方針だ。隊舎も建設し、自衛隊員約30人が常駐する。
太平洋では2016年、中国の空母「遼寧」の航行が初めて確認されて以降、中国軍による空母艦載機の発着訓練が相次いで確認されている。昨年は空母「山東」の航行も確認され、台湾有事の際、米軍の接近を阻止する訓練を繰り返しているとみられる。
北大東島へのレーダー配備について、同省幹部は「太平洋での中国の動きを常時察知できるようになり、中国軍への『抑止力』になる」としている。