「また来たいと思われる仕掛けを柔軟に」長崎スタジアムシティグランドオープンで高田社長が会見 長崎は変われるのか
14日に開業した長崎スタジアムシティ。施設を手掛けるジャパネットホールディングスの高田旭人社長が今後について語った。「持続可能にすることが地域創生を行う意義」とし「また来たいと思われる仕掛けを作り、ニーズにあわせて柔軟に対応していきたい」としている。また稲佐山ロープウェイの延伸については「市から難しいと聞いている」と話した。 【画像】可能性の扉を開いた福山雅治のフリーライブ
また来たいと思われる仕掛けを柔軟に対応
グランドオープンを迎えた今の心境について高田社長(高ははしごだか)は、前夜の福山雅治さんのフリーライブを見て「『ここが長崎なのか』という景色を共有できてうれしかった」と語った。 ジャパネットホールディングス高田旭人代表取締役社長兼CEO: 長崎駅周辺の夜が寂しく、非日常の大きな賑わいを作ることをイメージしたことが始まりだった。毎日来たいと思われる仕掛けを重ね、長崎の人が集まって喜びをシェアする場所を作りたいという想いを形にしていった。 サッカーを楽しめるスタジアムを作り、ホテルに泊まりながらサッカーを見られたら幸せだと思いスタジアムビューにした。 スタジアムで毎日試合やイベントができるわけではないので、試合がない日にも観覧席は開放して自由に使えるようにした。長崎の夜は出かける場所が少ないという声を聞き、足湯や1日過ごせるリラクゼーション施設を作った。 若者も楽しめるようにジップラインを作り、フットサルや3×3コートも誕生。オフィスビルには1000人が雇用されていることで、会社帰りに買い物ができるようにスーパーやドラッグストアを作り、子供の教育施設も一連で完結できればと保育園や塾も入居した。若者が集まるように大学も入る。リモートワークができるようにワーキングスペースも作った。あらゆる営業時間や料金体系はニーズにあわせて柔軟に対応できるようにしたいと話し、今後は花火大会やレーザーショーを企画したり、様々な仕掛けを考えたいとしている。
地域創生の意義は「持続可能にすること」
施設建設にあたっては1000億円を投資した。「長崎のためじゃなければここまでの投資はしなかった」と語る。地域創生の意義は「持続可能にすること」だ。 高田旭人社長: 意義は民間企業がちゃんとビジネスとして「地域の方に感動を届ける」を成功させること。長崎は予算面も少子高齢化という地域課題も日本の縮図になっている街だと思う。ここでやることが、先々日本全体にとって大きな意味につながると思う。 課題と解決策は- 高田旭人社長: 見えないものや体験したことがないものに対して、厳しい目で見られがちなのが地域創生や地方の課題。経験したことがない世界を作って体験してもらうことで、一緒にやってくる仲間をいかに増やすかだと思う。 こけら落としイベントの福山雅治さんのライブを無料にしたこと、さらに配信したことは大きな体験になったと話す。「あらゆる人たちが可能性を信じて一緒に船に乗ってもらい、提供していくことが大事」という。 さらにフリーライブほどの感動を瞬間的に生むのは、今後はサッカーやバスケットボールといったスポーツだと語った。Vファーレン長崎についてはJ1昇格に向けて選手と観客が一体になれたらと話し、場合によっては選手の補強も進めたいと語った。 高田旭人社長: 黒字化が必須。僕自身は2026年から27年で投資分を回収しないといけないと思っている。開業直後の賑わいのタイミングに乗る必要がある。ホテルが平日にしっかり稼働していくことが大事になる。平日は修学旅行の誘致を進めていて、企業が会社のイベントで使いたいという話ももらっている。 ジャパネットといえば「通販業」だ。ホテルの客室の寝具や家具などはバーコードが記載され、購入することができる。アメニティもこだわり、シャンプーは長崎の素材を使い、試行錯誤を重ねて完成させた。「いいものを提供したい」という通販業の想いを組み、連携を図ることで、グループとしての収益アップにつなげたいとしている。 また通販業は「旅行業」の展開も始めた。今後は長崎を中心とした温泉に関わる宿をPRできればと話し、BSチャンネルで長崎のよさを知ってもらう機会を増やしたいとしている。