難病向け老人ホームで不正か 訪問看護、過剰請求指摘も
11都道府県に約40カ所あるパーキンソン病専門の有料老人ホーム「PDハウス」のうち複数のホームで、併設の訪問看護ステーションがホーム入居者への訪問について実際とは異なる記録を作り、不正に診療報酬を請求していたとみられることが2日、運営会社の複数の現・元社員の証言で分かった。 パーキンソン病は国の指定難病の一つ。訪問看護の回数や訪問する職員数は本来、患者の状態に応じて判断することになっているが、共同通信が入手した社内のマニュアルでは「1日3回」「複数人での訪問」を「必須で入力」となっており、「全社的に過剰な訪問看護で報酬を請求している」との指摘が内部から出ている。 運営の「サンウェルズ」(本社・金沢市)はここ数年で急成長し、7月に東証プライムに上場。難病や末期の人を対象にした老人ホーム運営会社としては大手の一つ。取材に対し「報酬の不正請求については過去に一部職員の知識不足で類似事例があったが、自主的に返還した。訪問回数や複数人での訪問は、主治医の指示に基づき適切に決めている」としている。