【医療費控除】扶養家族でなくても合算していいの? 同一生計って何? 控除額の計算は?
Aさんは、妻(B)と子(C)を扶養していました。 昨年4月、Cさんは社会人となりましたが、親と同居しています。 Bさんも、Cさんが社会人になったのを機に扶養から外れて働き始め、それぞれ健康保険に加入しています。医療費は一定以上の額を支払ったとき、所得から控除できます。 これまでは、BさんもCさんもAさんの扶養家族であったので、Aさんは確定申告で3人分の医療費を合計して医療費控除を行ってきました。しかし、今はそれぞれに所得があります。それでも合算できるのでしょうか。
同一生計であれば合算できる
医療費控除について、今一度おさらいをしましょう。医療費控除とは、その年分に支払った医療費が一定額を超えるときに、その医療費の額を基にして算出される金額を所得から差し引くことができるものです。 少し詳しく見ていきます。所得税法第73条には、医療費控除について規定されています。 第1項には、「居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、その年中に支払った当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する」とあり、第3項には、「第一項の規定による控除は、医療費控除という」とあります(引用元:e-GOV 法令検索「所得税法」)。 ここで、医療費控除の対象となるのは、「自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」であることが規定されていますが、生計を一にする者の所得要件は付けられていません。 よって、「生計を一にしている者」に支払った医療費であれば、支払ってもらった者に所得があっても、支払った者が医療費控除の対象となります。 また、「各年において」とあることから、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が医療費控除の対象となり、未払いの医療費があった場合は実際に支払った年分の医療費となります。