【女性】20~59歳の就業率は7割以上!「医療・福祉」産業が人気か。
近年、女性を積極的に採用する企業や女性管理職の登用数アップを目指す企業は多くあります。 【図表】年齢階級別就業率の推移グラフ「M字」から変化。産業別・女性の就業者の割合も【円グラフ】で見る また、結婚・出産後も働くことを前提にライフプランを立てる女性は、若い世代を中心に増えています。 女性が占める割合は産業によって異なり、それらに着目することで現代の女性が社会で求められている役割や問題に気付けるはずです。 本記事では女性の就業率を見た上で、産業別に女性の割合を見ていきます。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
20~59歳の女性の7割が働いている
「女性の年齢階級別就業率の変化」について、厚生労働省の「令和2年版 厚生労働白書 (平成30年度・令和元年度厚生労働行政年次報告) 厚生労働省 ―令和時代の社会保障と働き方を考える―」を元に見ていきましょう。 ●女性の年齢階級別就業率の変化 【1989年】 ・20~24歳:約70% ・25~29歳:約57% ・30~34歳:約50% ・35~39歳:約61% 【2019年】 ・20~24歳:約70% ・25~29歳:約82% ・30~34歳:約75% ・35~39歳:約75% 女性の就労について結婚・出産による離職を示す「M字カーブ」問題が長らく指摘されてきました。 しかし、【図表1】をみると、M字カーブが台形型に少しずつ近づいており、2019年には台形型とほぼいえる形になっています。 現代においては大学・短大や専門学校などを卒業した20~24歳前後から働き始める人が多く、25~29歳については82.1%の女性が就労しています。 さらに興味深い点は、2019年については20~59歳までの就業率が7割を超えていること。ほとんどの女性が働いているということです。
女性は「医療、福祉」の就業者が多い
現代から200年ほど前、ある程度地位がある女性が選択できる職業は限られていたといいます。 しかし、時代の流れの中で、女性が選択できる職業も少しずつ増えてきました。 現代においては、少なくとも日本では職業選択において性別はほぼ関係ないと言え、これまでは男性が多く働いていた産業でも女性の働き手が増えています。 例えば、タクシードライバーや大型トラックの運転手として働く女性がメディアで取り上げられる機会も多く、女性ならではの気遣いなどが評価されています。 また、弁護士やコンサルタントといった職業に就き、男性と肩を並べて働く女性も珍しくありません。 総務省統計局の「国勢調査2020 ライフステージでみる日本の人口・世帯」によると、男性と女性の産業ごとの就業者の割合は下記の結果となりました(図表2)。 女性の就業者がもっとも多い産業は「医療、福祉」で全体の2割以上を占めています。次いで、「卸売行、小売業」(18.5%)「製造業」(11%)となっています。 【図表2】では産業によって女性の割合に大きな差があるのは明確ですが、「教育、学習支援」「製造業」「運送業、 郵便業」など、さまざまな産業に女性が属し、社会を支えていることがうかがえます。 ●他者を「ケア」する職業を選ぶ女性が多いのはなぜなのか 【図表2】で気になるのは、「医療、福祉」で働く女性の割合が22.6%とダントツで高い点にあります。 「医療、福祉」で働く男性の割合は6%であることを考慮すると、この産業で働く女性の割合の高さがより感じられます。 なお「医療、福祉」には医師や看護師、准看護師、介護士などが一般的に含まれます。 これらの職業には医療や介護などの専門的知識・技術も不可欠ですが、他者を「ケア」する役割があり、患者や要介護者の日常生活におけるサポートが求められることも多いです。 そこには女性が家庭の中で担ってきた役割と重なる部分も少なからずあり、長い歴史の中で社会的に女性が求められてきた役割の延長線上にあるものもあります。 他者から性別を理由に特定の職業を促されることは現代社会において基本的にありませんが、職業を考えるにあたって男女の役割を無意識的に感じている人も少なくないとうかがえます。 また、「母性愛」といった言葉があり、お人形の世話を幼い頃にしていた女性が多いように、女性には「他者を世話したい」という母性本能のようなものがあるのかもしれません。 その他にも、「医療、福祉」にはパートタイムで働きやすい、退職しても同様の職種で再就職しやすいといった特徴もあります。