【ニュージーランドT・生情報】〝不運〟を〝強運〟へ 桜花賞除外も武豊を迎えたボンドガール 次走に向けて結果を出したいワケ
[GⅡニュージーランドT=2024年4月6日(日曜)3歳オープン、中山競馬場・芝外1600メートル] 桜花賞出走のボーダーラインとなった収得賞金1000万円の3頭のうち、シカゴスティング、ショウナンマヌエラの2頭が抽選を突破した。一方で除外の憂き目にあったのがボンドガール(牝・手塚)。再投票で、鞍上に武豊を迎えてニュージーランドTに参戦する。 急転してレース前日となった5日朝は、坂路を軽く駆け上がって4ハロン66・3―15・4秒をマーク。果たして馬自身はその現実に気付いているのだろうか、普段と変わらぬ様子で小気味いい走りを見せていた。 手塚調教師は「(桜花賞に)出走できると思っていたんだけど…」と苦笑いを浮かべつつ、「ここはぜひとも3着以内で。桜花賞だと2着(以内)だからね。メンバーも普通に考えれば桜花賞よりは楽だろうし」と本音をこぼした。 桜花賞の後はオークスではなく、NHKマイルCへの出走が既定路線だったという。そのためには、桜花賞で賞金加算をするよりも、3着までにNHKマイルCの優先出走権が発生するニュージーランドTのほうが、一般論としてハードルは低くなる。手塚師は牝馬クラシックに出られなかった悔しさをにじませつつも、早くも次のステップに向けて気持ちを切り替えたかのようだ。 「スタートをうまく出て、前めの位置で折り合いがしっかりつけばってとこですね。頭の高い走りをするので、多少はハミをかんでも見た目ほどかかっているわけではない。サウジアラビア(ロイヤルカップ)の時はゲート練習もしていなくて出負けしたけど、今は心配ないし、スピードがあるからどんな競馬でもできる。ポンと(ゲートを)出たらハナでもいいんだけど、先々のためにも好位差しの競馬にこだわりたい」(手塚師)と見通しを示した。前走後に出走予定だった阪神JFは当該週に放馬するアクシデントがあり、ぶつけた右前肢の腫れがひかず回避した経緯があるが、「あの時は1週前の時点で状態がもうひとつだったから。今回のほうが断然いいし、結果的に使えなくてよかったと思っていますよ」と続けた。 桜花賞の除外は確かに不運だが、それを強運に変えるためにも、ここは結果が求められる一戦になる。コンビを組む武豊とはレース当日が初コンタクト(1週前追いは桜花賞出走を想定し鮫島駿が騎乗)。「中山のマイルは枠もある。本音をいえば一度乗っていてほしかったけど、スピードがあるんで、武さんなら逆らわずにうまく乗ってくれるでしょう」。馬の能力と状態への自信があるからこそ、全幅の信頼を寄せて名手に託す。
東スポ競馬編集部