2桁背番号の選手たち、コロナ下で活躍目立つ 選抜高校野球
新型コロナウイルスの感染拡大防止を図りながら2年ぶりに開催された選抜高校野球大会。優勝した東海大相模(神奈川)を含め、グラウンドでは2桁背番号の選手たちが例年以上に活躍したことが印象に残った。 【明豊vs東海大相模】大熱戦の決勝を写真で 東海大相模のエース・石田を支えたのは、1回戦で好投し決勝でも先発した背番号18の右腕・石川。1回戦で決勝打となる2点ランニング本塁打を放った中京大中京(愛知)の櫛田は背番号15だ。2回戦で逆転サヨナラとなる2点二塁打を放った東海大菅生(東京)の多井は背番号18。3選手はいずれも大会直前にベンチ入りを果たし、昨秋の公式戦では石川が1試合のみの出場、櫛田と多井は出場機会さえなかった。 東海大相模の門馬監督は「新しい発見がなかなかできなかった」とコロナ下の苦悩を振り返る。昨夏の全国選手権大会は地方大会も含めて中止に。代わりとなる神奈川の独自大会は8月に開幕し、優勝したものの23日まで試合が続いた。その間には、中止となった第92回センバツ出場校が参加した甲子園交流試合にも出場。休む間もなく29日から秋の神奈川大会地区予選の試合があり、公式戦が相次ぎ多くの選手にチャンスを与えることができなかったためだ。冬場に入って短時間ながらも練習に取り組むことができるようになり、じっくり選手の特徴を把握できたことが、センバツでの新たな戦力の台頭につながった。 1998年に松坂大輔(西武)を擁して史上5校目の春夏連覇を達成し、春夏計5回の甲子園優勝を誇る横浜高(神奈川)元監督の渡辺元智さん(76)は「監督が固定メンバーだけでなく、あらゆる選手の個性をしっかり把握できていた」と分析する。コロナ下での大会は背番号に関係なく、急激に成長した選手を披露する場にもなった。【藤田健志】