【あなたの知らないEV/ジーカー】最新モデルは航続距離870kmを実現したEV高級セダン「007」
派生ハイパフォーマンスモデルも発表/発売
ジーカー(ZEEKR)は、ボルボやプロトン、ロータスなど日本でもなじみ深い欧州ブランドを傘下に収める中国・吉利汽車の高級プレミアムEVブランド。立ち上げは2021年とまだ日は浅いが、すでに3車種4モデルを発売している。その最新モデル「007」は、世界トップレベルの航続距離870km(CLTCモード)を実現。2023年11月の発表を経て、2024年1月1日からまずは中国国内向けの納車がスタートした。 【写真】豪華なジーカーのラインナップを詳しく見る 価格競争と低価格化が止まない中国のEVマーケット。一方では、プレミアムEV市場が大いに盛り上がっている。最新のテクノロジーと贅沢な装備を惜しみなく投入した高価格帯EVが続々と誕生しており、中国のEV市場を二分化しつつある。 プレミアムEVの中でも、あたまひとつリードしている存在が、吉利汽車のプレミアムブランド「ジーカー(ZEEKR)」だ。2021年にブランドを立ち上げ、同年にシューティングブレークの「001」を発表した。 翌2022年にはプレミアムミニバンの「009」を発売、さらに2023年にはボルボEX30とアーキテクチャーを共用するミディアムクラスSUVの「X(エックス)」を発売している。また同年には、驚異のシステム総出力1265psを誇る4モーターの「001FR」を追加し、0→100km/h加速2.07秒という圧倒的なパフォーマンスを実現して話題となったばかりだ。 そんなジーカーが次に挑戦するのが、目下、現地で新旧ブランドが入り乱れて競争が激化しているプレミアムセダン。テスラモデル3を中心に、BYD、ニオ、ルクシード、アバターほかの新興メーカー、そしてドイツ御三家も巻き込んで高価格帯のミッドサイズセダン市場が過熱している。
中国EVの現在位置を具現化したと言える高級セダン
そこに後発となるジーカーが満を持して送り込む刺客が「007」である。その最大のセールスポイントが「ゴールデンバッテリー」と名付けられた自社開発のLFP(リン酸鉄)バッテリーの搭載である。 その体積利用率はLFPの常識を超えた83.7%を達成し、100kWhバッテリーを搭載したRWDロングレンジモデルは独自の800Vアーキテクチャーとの相乗効果も相まって航続距離870km(CLTC)を達成した。 ちなみに同モデルでは、わずか15分の急速充電で610kmの走行が可能、つまり、およそ70%まで回復できるという驚異的な充電性能を実現している。ちなみに75.6kWhバッテリーを搭載するRWD標準車でも、航続距離は688km(CLTC)と十分な性能だ。 007の3サイズは、全長4865×全幅1900×全高1450mm。ホイールベースは2928mmだ。最大のライバルと言えるテスラモデル3よりやや大きく、トヨタカムリのサイズ感に近い。グレード構成は、75.6kWhバッテリーを搭載する標準グレードのRWD、100kWhバッテリーを搭載するRWDとAWD、さらに同じく100kWhバッテリーながら強力なモーターを搭載するAWD“ハイパフォーマンス”の4種類。ハイパフォーマンスの0→100km/hはわずか2.84秒である。