福岡県朝倉市に来んね! 移住定住の新拠点「コンネアサクラ」がオープン
2階のイベントスペースには、芝生をイメージした緑色のカーペットが敷かれています。地元高校生が廃材で作った木製テーブル、折りたたみのローチェアがあり、キャンプ場のような雰囲気です。 ここでは栗林さんらが、移住した人と移住を考えている人の交流会を企画したり、大工さんらを招いて空き家活用術の講座を開いたりする予定です。
市役所から飛び出して
「市役所には寄りづらくても、こういうスペースだと気軽に来ていただけるんじゃないかな」。市シティプロモーション課の田中岳大係長が、施設の模型を手に説明してくれました。模型は建設に関わる関係者へのプレゼンのために自作したそうです。 コンネアサクラは、市の新規事業を職員から募る制度で田中係長の案が採用され、実現しました。駅から1キロ以上離れた市役所を飛び出し、まちなかで移住定住の施策に取り組むアイデアです。交流拠点としても活用し、地域コミュニティーの活性化にも力を入れます。 2020年の国勢調査によると、同市の人口は高齢化などにより10年間で約5万6000人から約5万人に減りました。市内には三つの県立高校があるものの、卒業と同時に地元を離れる若者が多く、田中係長は「子どもたちが大人になったとき、地元に戻りたいと思ってもらえるようにしたい」と考えています。
そこで市は、地元の若者らに、まちづくりへの関心をもってもらおうと、市民参加型ワークショップなどをコンネアサクラで始めます。まず、地域を盛り上げるアイデアを募り、市や住民が一体になって実現をサポートする「CANOW PROJECT(かなうプロジェクト)」を5月以降にスタートする予定です。 また6月以降は、プロの映像作家らの指導を受けて市民クリエイターを養成する講座も計画しています。イベントスペースを活用して、地域の魅力を高める取り組みを展開していくそうで、田中係長は「駅前なら通勤や通学の際に立ち寄ってもらえると思う。コンネアサクラから『朝倉のファン』を増やしていきたい」と話します。
読売新聞