【解説】潜水艇…酸素量は“残り約1日分” 「ナゼ不明に?」考えられる2つの原因…
■水中から音が…発生した場所の特定には至らず
地図で確認すると、タイタニック号が沈んでいるのは、カナダのニューファンドランド島の南に約700キロいったエリアの海底です。そして、潜水艇が消息不明になったのは、ニューファンドランド島から南に約650キロのエリアです。 ◇ 現在、複数の国々による大規模な捜索が行われています。その拠点の1つ、アメリカ東海岸のボストンにいる記者から現地の様子を伝えてもらいます。 NNNボストン・橋本雅之記者(現地時間21日午前3時40分ごろ) 「捜索を行っているアメリカの沿岸警備隊の拠点があるボストンです。現地の時刻は(日本時間午後4時あたりで)午前3時半を過ぎたところですが、現在も24時間態勢で懸命の捜索活動が続いている状況です。現地メディアも何か動きがあった際には、速報で伝えられるよう(機材を設置しておくなどして)スタンバイを続けています」 「こうした中、アメリカのCNNは先ほど『現地時間20日の捜索中に水中からものを激しくたたくような音が30分おきに聞こえたことが、アメリカ政府の内部文書で明らかになった』と速報で伝えました」 「アメリカ政府の内部文書では、今回聞こえた水中からの音について『生存者がいることを示す継続的な希望なんだ』と記しているということです。ただ、この音について具体的にどれくらいの長さのものだったかは不明だとしています。また、沿岸警備隊によると、カナダの航空機が水中ノイズを検出し、ノイズの発生源を探るため、探査機による捜索を行ったということです。ただ、これまでのところ発見には至っておらず、捜索活動は難航していると言わざるを得ません」
■潜水艇…“手作り”だった? 2018年には安全性に“警告”も
潜水艇はなぜ消息を絶ってしまったのか。 東海大学海洋学部の山田吉彦教授に聞いたところ、考えられる原因は2つあるといいます。 1つは「電気系統の故障」です。この手の潜水艇はすべて部品を寄せ集めた“手作り”で、たとえば操縦かんがゲームのコントローラーなどを寄せ集めて作っていて、意外と電気系統やコンピューター系が弱かったりするそうです。電源喪失をしている可能性があるといいます。 そして、アメリカのニューヨークタイムズによると、2018年の時点で、30人以上の専門家がこの潜水艇の安全性について「懸念」を示していて、運営会社に警告をしていたという報道もあります。 原因の2つめは、「衝突などのトラブル」があったのではないかといいます。水深4000メートルの世界は視界が数メートル先しか見えず、タイタニック号に近づこうとするあまりに、ぶつかったり、ひっかかったりしてハマってしまった可能性が十分考えられるといいます。