普通の生活 感謝し卒業 2013年心臓移植 平田の吉田葵彩さん(蓬田小) 「中学で合唱部入りたい」
卒業式に出席した父の昌博さん(51)は11年前を思い返す。移植手術の9カ月前に小児用補助人工心臓を取り付けるか迷っていた。医師から国内初の手術で、成功率7割程度と伝えられた。「娘の命が他の病の子どものためになるなら」と覚悟したが、出術は成功して葵彩さんの容体も回復した。募金の広がりや手術の成功などの奇跡が重なり、今の家族があると支援に感謝している。「人の痛みの分かる子に成長してくれた。普通に暮らせていることが何よりうれしい」と笑顔の娘にまなざしを向けた。 ※「よしだあおいちゃんを救う会」による支援 2012(平成24)年10月に平田村の村民有志が救う会を設立し、渡米や手術の費用を賄うために募金活動に乗り出した。村内上蓬田の民家に事務局を設け、街頭募金活動や情報発信を展開。約1年間に募金件数は5983口、金額は約2億3600万円に達し、渡米手術にめどが立った。