青学大・安藤寧則監督の指導方針とは 大学選手権2連覇…今年は4冠なるか
【球界ここだけの話】6月16日に神宮球場で決勝が行われた全日本大学野球選手権は青学大(東都)が2―1で早大(東京六大学)を破り、2年連続6度目の優勝を決めた。2連覇は2010、11年の東洋大以来で、青学大としては初。黄金時代を迎えている青学大を率いるのは安藤寧則監督(47)だ。 【写真】2連覇を成し遂げた青学大。佐々木泰とともに記念撮影する安藤寧則監督 19年の監督就任時には東都大学リーグ2部に低迷していた名門校を復活させた指導方針は「自主性を重んじる」こと。「管理だけは絶対にしたくない。それはもうさせないでくれ。もう大学生だし、自分たちで考えてチームや寮生活を作っていくんだ」と部員に常々話しかけている。 全日本大学選手権に出場した全27大学の中で部員数は圧倒的一番少ない44人(選手は34人)という〝少数精鋭〟。チームの連帯感とコミュニケーションを重視しているため、選手全員が相模原キャンパスにある野球部寮に住み、寮が大きくないための制約だが、安藤監督は「このぐらいの人数の方が全員とコミュニケーションが取りやすい」とメリットだととらえている。 高校生のスカウトには自ら足を運び、プレーはもちろん、「指示待ちじゃないかどうか。あっと思うような選手って、やっぱり中心選手なんですけど、どういう風に周りから声をかけられているのか。変な気を使われているやつなのかどうかとか。自然体で周りと接しているのはやっぱりいいな。パッと荷物を運んだりとか」とプレー以外の人間性の部分も重視しているという。今大会MVPでプロ注目の主将・佐々木泰内野手(4年)は、佐々木が県岐阜商高1年時に初めて見て以来「ほれ込みましたね」。入部希望者にも極力会いに行き、どうしてもタイミングが合わずに会いに行けない場合には、青学大の練習に参加してもらう。 安藤監督は岡山県出身で、岡山大安寺高(現岡山大安寺中教校)時代は強打の内野手として活躍し、一般入試で青学大に進学。捕手に転向したが、3年生の9月末から東京・青山学院高の監督を約20年間務め、19年1月に青学大の監督に就任した。 就任時から今でも野球部の寮に住み込んでいるが、「見守る。別にいるからって監視しているわけじゃない」と部員が遊びに行くときなどもすれ違ったら「行ってきます(部員)。おお、行ってこい(監督)」と堂々と出かけるなど、生活面でも部員の自主性を尊重する。「寮にいれば、部員が相談に来やすい。何かあったら相談しにこい。言いたいことがあったら絶対にためるな」と部員に寄り添い続けている。