女優・歌手、柚希礼音 宝塚退団10年、未知の私に会いたくて…シャンソンに挑戦「歌も踊りも心の表現、その思いが深まった」
ステージでは、歌だけでなく、ダンスもしっかり魅せていくという。
「歌もありつつ、やっぱり最後はしっかり踊りたいので、フィナーレナンバーというか、いっぱい踊るところもあります。シャンソンって心の表現だから、ダンスでもそれに挑んでいこうと。シャンソンの名曲を昇華するように踊れたらすごいんじゃないですか」
「実は…」と彼女、「私、内気だったんで、人前でしゃべったり、歌ったりするのが苦手だったんですよ。授業でも答えが分かっているのに、手は挙げないみたいな…」と明かす。
「だから、しゃべったり歌ったりせずに、踊りで表現できるクラシックバレエがすごく私には合っていたんです。でも身長が大きくなってしまい、バレエは無理かな、と」
宝塚を目指すことにしたが、そこで歌うことに直面する。
「音楽学校を受験するために必死に歌のレッスンも受けましたよ。それまで友達のカラオケに行っても歌うのは小室ファミリーでしたけど、クラシックとか日本歌謡などを練習しました」
入団しても歌はどこか苦手だった。しかし、演じるということを学ぶ中で、歌への思いも少しずつ変わっていった。
「まず踊りが心の表現だということを、芝居を学んだことで知って、よりダンスが好きになりましたね。歌も一緒。やはり心の表現なんだと思うようになったことで、向き合い方が変わりました。そして、シャンソンに出合って、その思いはもっと深まりました」
新たな柚希礼音のステージは始まったところだ。
■柚希礼音(ゆずき・れおん) 女優、歌手。1979年6月11日生まれ、45歳。大阪市出身。99年、宝塚歌劇団の雪組公演「再会/ノバ・ボサ・ノバ」で男役で初舞台。2009年から星組トップスターに就任。宝塚時代に日本武道館で単独コンサートを実現させるなど活躍。15年に退団して以降は、女優、歌手として活動している。退団後の主な出演舞台は「ボディーガード」「マタ・ハリ」「お気に召すまま」など。