「私人逮捕系YouTuber」の緊急会議に密着…彼らが自分達は「勘違いされている」と思っている訳
痴漢や盗撮犯などを捕まえて警察官や駅の従業員に引き渡す様子をYouTubeやX(旧Twitter)などに投稿することで生計を立てている「世直し系/パトロール系YouTuber」たち。 【画像】すごい…逮捕後にふてぶてしい態度でカメラをにらみつける「私人逮捕系ユーチューバー」の煉獄コロアキ 彼らの動画や投稿には応援のコメントが多く寄せられているが、行き過ぎた行為と批判されることも多く、X(旧Twitter)では彼らの行動を批判するすさまじい数の投稿がある。 実際、彼らの一員である煉獄コロアキやガッツchが逮捕され、「結局金目当て」「目立ちたいだけ」など、世間の風当たりは強い。 そんな逆風の中で、私人逮捕系YouTuberとしての今後の活動についての会議があると聞き、彼らの会議に同席させてもらうことにした。 新宿の某所に集まったのは、特殊詐欺の主犯格として逮捕された「フナイム」氏をはじめとする人たち。痴漢・盗撮撲滅を掲げるスーパードミネーターチャンネルの「スーパードミネーター」氏、同チャンネルの「そうし」氏、私人逮捕活動者の動画編集を行っていた「はっくん」氏、犯罪行為の指摘を活動としている「黒い彗星」氏達が集まっていた。 仰々しい面子が集まる中、フナイム氏が進行を務めながら会議は始まった。 今回の会議で話されていたのは下記の2つのテーマだ。 1.私人逮捕系YouTuberが逮捕されたことについて 2.世の中の風当たりが強いことにたいして この2つのテーマについて、彼らの思いをお届けする。 フナイム:まず率直に煉獄コロアキさんとガッツchの二人が逮捕された件についてです。 スーパードミネーター:関わっていた順からの発表がいいと思うので、まずは黒い彗星さんからでどうでしょうか。 フナイム:じゃあクロちゃん(黒い彗星)、はっくん、そうし君、スーパードミネーターさんの順番でお願いします。 黒い彗星:逮捕の件は残念ですが、逮捕されるということは確実に悪いことをしているので、仕方がない。「反省してください」と思います。 はっくん:ガッツchのガッツさんが薬物の教唆で捕まったときに、薬物を持って来るように指示したのは知りませんでした。こうした犯罪は、相手から言い寄ってくるものだと思っていたのでびっくりです。日本で生きている以上、法律は守るべきです。警察がいての私人逮捕なので、警察との連携が重要だと改めて感じました。 そうし:真っ先に思ったのは法律を見直して自分が間違えていないかを確認したい。法律を勉強して、自分の活動は間違えていないと分かったうえで活動をしたいと考えるようになりました。 スーパードミネーター:まず二人の逮捕は残念です。ただ、罪は償ってほしいですね。コロアキ君に関しては、モザイクなしで動画を投稿した件について、周りのみんなはやめた方がいいと言っていました。それでもやってしまったのでしょうがないです。中島さんの件に関しては残念な気持ちの方が大きいです。ガッツchは痴漢・盗撮を撲滅するためのチャンネルで、今回の逮捕は薬物の教唆で、痴漢や盗撮とは全く関係がないんです。世間の人は動画のために犯罪をしたように見えてしまう。それが残念。僕としては中島さんが出所してから対応をしっかりと考えていきたいと思っています。 フナイム:僕も正直残念です。わかってほしいのは二人とも信念が違うこと。コロアキさんなら数字。コロアキさんは自分が目立つ活動をすることで、犯罪を抑止しようとしていた。数字を追うあまり、度が過ぎて暴走してしまいました。ガッツさんに関しては世の中の痴漢を撲滅。とにかく世直しをする信念があったんです。覚醒剤も潰したいが、やり方を間違えた。間違えたで済まされないことをしているのは確かなので、罪を償ったうえで、違う形で復活してほしい。私人逮捕に対して、法律についても勉強不足であったのは確かです。それでも彼らの犯罪を撲滅しようとする気持ちだけは本当です。 スーパードミネーター:信念はあったが、やり方を間違えて犯罪をしたことを伝えないといけない。 フナイム:中島さんは収益のためにやってない。収益も大事ですけど、それ以上に信念があった。困っている人を助けたいと思ってやっていた行動です。画面以外での努力も伝えないといけない。 フナイム:では次です。実際世の中の風当たりが非常に強いことに関して。金や知名度のためであるとかも言われていますし、誹謗中傷も沢山あります。それについて意見を聞かせてください。 黒い彗星:個人的には気にしていないが、現状は仕方がないと考えています。自分は数字とかは気にしてないので、純粋に活動を見て、知ってもらいたい。 フナイム:全然気にしてない? 大丈夫? 黒い彗星:はい。もし自分が間違っているのであれば逮捕されています。自分の行動が正しいと思ってやっているので。それと、一般人に迷惑を掛けたくはないので、そこは気を付けています。 フナイム:僕らはひとくくりで私人逮捕系と呼ばれていますが、そこについてはどうですか? 黒い彗星:僕は元々ガッツchにいたんですけど、自分は私人逮捕ではないんですよ。活動としては、注意喚起、パトロール系です。 フナイム:ありがとうございます。ひとくくりにされていますが、実際は違うってことですね。では、はっくんお願いします。 はっくん:Xの指摘は勉強になりますが、誹謗中傷に関してはシンプルに『キモいな』と思っています。そんなことをして何があるのかと感じますし、「死ね」とかは度が過ぎています。子供とかなら、わかりますが、いい年したおじさんとかが叩いてくるので未来ないなって。 フナイム:OKです(笑)。ではそうし君。 そうし:考えてみると僕らは悪いことをしているわけではなく、人を救っているだけなんで風当たりは気にしてないです。僕自身義務教育を受けてないとかはよく言われますが、そういった言葉を発している人の方が道徳の授業を受けていないと思っています。 スーパードミネーター:僕がダントツで誹謗中傷が来ています。指摘も含めて。でも気にしてない。結局は活字、ネットでしかイキれない奴らなんで、年齢関係なく舐めんなと思います。やめてほしいのは、自分を応援してくれている人への攻撃です。それはどうしても許せない。 フナイム:僕もアンチの数は凄く多い。最初は僕も怒っていたのですが、見ているうちに感謝の気持ちが芽生えました。みんなが時間を使って僕を叩いてすっきりしている。それでアンチが気持ちよくなればこれも世直しだと思っています。アンチに対しても怒る必要はないかなって。死ねとか言う人は不快ですし、話にならないけど、批判的なツイートをしてくれる人、意見をくれる人は、僕を見てくださっているから感謝しています。 スーパードミネーター:純粋な誹謗中傷は本当に意味がないけど、それが意見だったら目を通しますよね。 フナイム:はい。人の意見から自分の行動を考えることもあるので。コメント等は常に感謝しています。僕は情報発信に意味があると思っています。僕のポスト(ツイート)を覚えていて、詐欺に引っかからなければそれでいいです。だから風当たりが強くても、結果として詐欺が減ることが重要だと思っています。 同席して話を聞いている中で、彼らは仲間でもある煉獄コロアキやガッツchが逮捕されたことで私人逮捕系YouTuberとひとくくりにされていることを嫌がっているようだ。 実際に、自分たちは煉獄コロアキやガッツchのせいで勘違いされていると感じているようで、その事に関する反感は強く感じているようだった。 その状況を打破するためにも、積極的にメディアへの出演を増やし、私人逮捕系YouTuberへの勘違いをなくしていきたいのだという。 取材・文・PHOTO:白紙 緑
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