免税制度を悪用 増える訪日客の不正転売をどう防ぐ?【WBS】
日本を訪れる外国人観光客が増えインバウンド消費は活況なのですが、その一方で、消費税がかからない免税品を不正に転売することが横行し、問題視されています。この転売を防ごうと、政府与党は現在、議論が進む来年度の税制改正で見直しを検討しています。 午後5時過ぎの渋谷。買い物を終えたと思われる荷物を抱えた外国人が数多くいました。 「買い物してきた。靴やジャケットを2万円分買った」(インドネシアからの観光客) 「私の好きな柿の種やキットカットなど10万円以上使った」(アメリカからの観光客) 東京・秋葉原にある免税店「アッキーII」でも外国人観光客の来店者数はコロナ前の水準に回復しています。ただ警戒を強めているのが訪日客による転売です。 外国人観光客が免税店で土産などを購入する場合、消費税が免除されます。しかし、免税で購入した時計などの商品を日本国内で転売し、消費税分の利益を稼ぐ事例が相次いでいることから、店側も対策を強化しているのです。 「1人でシェーバーを30~40台欲しいという客は危ない。どのような目的で購入するか確認している」(「アッキーII」の池上景太副店長) 免税で購入できるのは、短期滞在の在留資格を持った外国人観光客などです。この店ではパスポートの確認を徹底するなど、転売目的の購入防止に努めています。 「不正な免税販売が発覚した場合、消費税の追徴課税も発生する。会社にダメージを与えてしまうことになる」(池上副店長) 去年12月にはアメリカアップルの日本法人が東京国税局の税務調査を受け、免税要件を満たさない購入が多数あったものの、これを見抜けなかったと指摘され、およそ140億円の消費税を追徴課税されたことが判明。こうしたケースは百貨店などでも見られますが、全国免税店協会の阿部英行会長は現在の日本の制度では、店側が不正をチェックするしかないと言います。 「日本のような免税方式を採っているのは世界中で日本ぐらいしかない。諸外国は還付方式になる」(阿部会長)