国産木材使った屋根の工事進む 新国立競技場の建設現場公開
THE PAGE
2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場になる新国立競技場(東京都新宿区)の建設現場が18日、報道陣に公開された。2019年秋の完成へ向け、スタンドなどの骨組み工事は終わり、屋根部分の組み立て・取り付け工事などが行われている。建設主体の日本スポーツ振興センター(JSC)によると、進ちょくは4割程度で、工事は計画通り進んでいるという。
ヤマ場の屋根工事
工事は2016年12月に着工。36か月の工期予定のうち20か月目に突入している。スタンド部分の骨組みなど地上の躯体(くたい)工事は完了し、建設現場の外側からでも地上5階建ての構築物が屹立しているのが分かる。 この日の現場公開でも、約6万席(五輪大会時)のスタンド部分は3層のコンクリートの土台が出来上がっており、シートや大型ビジョンの設置を待つ状態になっていた。
JSC理事で新国立競技場設置本部長の望月禎氏は「完成しているかのように見えるかもしれないが、まだ15か月かかる。屋根の工事はまだまだこれから」と気を引き締めた。 ヤマ場である屋根工事は今年2月から着手。屋根は、鉄骨と木材を組み合わせた「ハイブリッド構造」で、フィールド部分で組み立て、クレーンで持ち上げて取り付ける。屋根は根元部分や先端部分など4つの部分に分かれていて、一部で先端部分まで設置が終わっている箇所もあった。完成すると国産木材を活用した長さ約60メートルの屋根がスタジアムの周囲を覆う。屋根工事は来年5月中旬に完了する予定。
そのほか内装、外装工事にも順次入っている。現在約2000人が作業しているが、夏にかけて3000人まで増員し、2019年11月の完成を目指す。
暑さ対策は?
連日の猛暑が続くが、望月氏は新国立競技場の暑さ対策にも言及した。スタジアムの外周に設置する「庇」部分が、夏は観客席やフィールドに風を取り込み、逆に冬は入り込まないようにする設計になっていると説明した。また人工的に風をつくる気流創出ファン、ミスト装置を設けるほか、各階に冷房付きの休憩室を用意する。 また名称について、現在は「新国立競技場」と表記されているが、完成後は「新」が取れて「国立競技場」の名称を継承することが発表された。